研究課題/領域番号 |
20K03702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷口 雅治 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (30260623)
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研究分担者 |
二宮 広和 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (90251610)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 進行波 / 軸非対称 / 反応拡散方程式 / Allen-Cahn方程式 / 等エネルギー型 / 等エネルギー / Allen--Cahn方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
Allen--Cahn方程式に代表される等エネルギー型反応拡散方程式は多次元空間において,軸対称進行波をもつことがChen, Guo, Hamel, Ninomiya and Roquejoffre (2007)により証明された。軸非対称な進行波が存在するか否かは未解決問題であった。等エネルギー型反応拡散方程式に進行軸にたいして非対称な進行波が存在することを本研究で証明する。この進行波はその等高面(ゼロレベルセット)の切断面が長軸と短軸をもつ凸図形をなしている。
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研究実績の概要 |
等エネルギー型の反応拡散方程式における進行波の存在は,軸対称なものが Chen, Guo, Hamel, Ninomiya and Roquejoffre (ANIHP2007)において証明された。この軸対称進行波は正の速度をもつ。平衡解,すなわち,速度ゼロの進行波の存在は,del Pino, Kowalczyk and Wei (AM 2011, CPAM 2013)により証明されている。速度がゼロではなく軸非対称な形状をもつ進行波が存在するか否かはながく未解決問題とされていた。 この問題に対する肯定的な解答が2019年になされた。等エネルギー型の反応拡散方程式における軸非対称な進行波の存在が,"Axially asymmetric traveling fronts in balanced bistable reaction-diffusion equations"(Taniguchi, ANIHPC 2019)において証明された。この進行波は,その等高面(zero level set)のある高さにおける切断面が長軸と短軸をもつ凸図形をなしている。長軸と短軸の比,すなわちアスペクト比は任意に選択することができる。それが1である場合が軸対称進行波である。一方,長軸と短軸を任意の正の値として与えた場合,切断面がこの長軸と短軸をもつ凸図形であるような進行波が存在するか否かという問題が新たに提起された。そのような進行波が存在することの証明を 2023年に成功し,成果を学術雑誌に投稿したことを報告する。 等エネルギー型反応拡散方程式は,微分幾何学における平均曲率流と密接に関連している。等エネルギー型反応拡散方程式において得られた多次元進行波が,平均曲率流における進行波(Wang, AM 2011)との関連を調べるという課題が新たに未解決問題として提示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
反応拡散方程式における多次元進行波は近年,新しい結果が次々と出されている。それらの結果をまとめたものを "Traveling Front Solutions in Reaction-Diffusion Equations" (MSJ Memoirs Series, Volume 39, 2021, Mathematical Society of Japan) として出版した。V字型進行波(V-form traveling fronts),角錐型進行波(pyramidal traveling fronts)などの存在,一意性,安定性を記述している。 また研究代表者(谷口)は2021年より学術雑誌 Journal of Differential Equations のエディターの一人をつとめている。また2008年より学術雑誌 Discrete and Continuous Dynamical Systemsのエディターは引き続きつとめている。 国内外の学会・研究集会に参加・講演しつつ,本研究課題の推進につとめていることを報告する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月31日から6月4日にアメリカ合衆国 Wilmingtonにおいて,研究集会 "The 13th AIMS Conference on Dynamical Systems, Differential Equations and Applications" が開催される。私はこの研究集会に参加・講演する。また二宮広和氏とともにスペシャルセッション "Propagation Phenomena in Reaction-Diffusion Systems" を開催し,十数名の講演者にご講演いただく。情報交換と討論により課題研究を推進する。2023年度も引き続き研究を遂行する。
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