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代数学を用いた暗号、符号、擬似乱数のための離散数学研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03713
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分12030:数学基礎関連
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

萩田 真理子  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70338218)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードグラフ / 印象評価 / 重み更新 / ブロックデザイン / 比率復元方法 / AES暗号 / 誤り訂正符号系列 / グラフ彩色 / AES暗号 / 暗号 / 擬似乱数
研究開始時の研究の概要

本研究課題では、代数学を用いた暗号、符号、擬似乱数のための離散数学研究と、その応用研究を行う。
具体的には、研究代表者がこれまで力を入れてきた、群や体などの代数系上の組合せ論的な条件を満たす部分集合や系列の存在条件を決定して情報セキュリティ分野に応用する研究を更に発展させる、相互に関係の深い以下の3種類の研究を行う。
1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、
2.グラフの彩色アルゴリズム、分散彩色アルゴリズムの評価、及びその擬似乱数の配置問題、印象評価への応用、
3.誤り訂正符号系列の存在性についての研究と、その電子署名への応用。

研究実績の概要

相互に関係の深い、以下の3種類の研究を行った。
テーマ1.「暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価」AESがラウンドごとにどのくらい混ざっているか調べるために偏りのある平文の集合を同じ暗号化鍵で暗号化したときに観察されていたχ2乗値がゼロとなるケースが、どのような場合に起こるのか、変換のステップごとにより詳細に検証し、簡単な変換を追加することでその現象を回避して安全性を高めることができるかどうかを調べた。
テーマ2.「グラフの彩色アルゴリズム、分散彩色アルゴリズムの評価、及びその擬似乱数の配置問題、印象評価への応用」 シミュレーションでは、近くで起こる現象を決定するところに同じ関数で生成された擬似乱数を用いると偏ったデータが出てしまうことがある。この問題は、擬似乱数を割り当てる場所を頂点とし、相関の大きな2点を隣接させたグラフの分散彩色を求めれば解決できる。グラフの分散彩色問題は、与えられた色数でグラフの頂点を同色の異なる二点の距離の最小値が大きくなるように彩色する問題で、これまでの研究で、いくつかのグラフの分散彩色の存在範囲を決定し、効率よく彩色するアルゴリズムのアイデアを提案していた。分散彩色研究はデータサイエンス分野で行われている印象評価研究にも応用できることがわかり、グラフの彩色研究の効果的な応用の実現を
目指している。特に印象評価ベクトルを重みとして与えたグラフを重み更新することで、部分的な評価結果から全体の評価を復元する方法についての研究を行った。
テーマ3.「誤り訂正符号系列の存在性についての研究と、その電子署名への応用」こちらについても存在条件についての研究を進めている。1誤り訂正符号として最も良いものが、2誤り訂正符号として最良のものとはならない場合があることが確認でき、使いたい状況によって最適なものが変わることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究テーマとしている相互に関係の深い、以下の3種類の研究:
1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、
2.グラフの彩色アルゴリズム、分散彩色アルゴリズムの評価、及びその擬似乱数の配置問題、印象評価への応用、
3.誤り訂正符号系列の存在性についての研究と、その電子署名への応用、
のうち、特にテーマ2については、応用研究に使いやすい形で基礎研究をまとめることができ、可視化分野への応用研究が可視化情報学会論文賞を受賞するなど高い評価を受けた。テーマ1とテーマ3についても、より詳しく状況を整理することができた。また研究してきた順位決定手法を比率復元に応用できることも確認でき、今後の成果を期待できる研究となった。

今後の研究の推進方策

引き続き、研究テーマとしている相互に関係の深い、以下の3種類の研究を行う。
1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、
2.グラフの彩色アルゴリズム、分散彩色アルゴリズムの評価、及びその擬似乱数の配置問題、印象評価への応用、
3.誤り訂正符号系列の存在性についての研究と、その電子署名への応用。
1についてはAESの乱数性を評価する研究の中で見つけた特殊な偏りがどのような状況で起こるかまとめることができたので、どのくらい安全性に影響を及ぼすか調べていきたいと考えている。2については研究協力者から本研究を用いた応用研究が発表されているため、その裏付けとなる本研究もより使いやすい形に発展させていきたいと考えている。また、グラフの重み更新を取り入れることで、市場調査等への応用可能性を広げる研究を進めていきたい。3については引き続き存在条件について調べていきたい。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ブロックデザインを用いた順位決定手法の適用条件2023

    • 著者名/発表者名
      栗原由羽、浅見唯葉、萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集

      巻: 2023-1032 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] AES暗号の変換ごとの安全性評価2023

    • 著者名/発表者名
      古川早紀、島村香帆、萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集

      巻: 2023-1030 ページ: 1-7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ブロックデザインを用いた順位決定手法の評価2022

    • 著者名/発表者名
      浅見唯葉,萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会2022予稿集

      巻: 1007 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 評価値合計順の彩色アルゴリズムを用いた選出によるビッグ データの評価方法2022

    • 著者名/発表者名
      関根彩桂,浅見唯葉,萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会2022予稿集

      巻: 1014 ページ: 1-4

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Multidimensional data visualization applying a variety-oriented scatterplot selection technique2022

    • 著者名/発表者名
      Itoh Takayuki、Nakabayashi Asuka、Hagita Mariko
    • 雑誌名

      Journal of Visualization

      巻: 26 号: 1 ページ: 199-210

    • DOI

      10.1007/s12650-022-00871-6

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] グラフの重み更新を用い た順位決定のための主成分分析 による重み補正2021

    • 著者名/発表者名
      浅見唯葉, 服部佳也乃, 三輪華子, 萩田真理子
    • 雑誌名

      日本応用数理学会2021年度年会講演予稿集

      巻: 2021 ページ: 493-494

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 評価値合計順の彩色アル ゴリズムとウェルシュパウエル の彩色アルゴリズムの比較2021

    • 著者名/発表者名
      関根 彩桂, 萩田 真理子, 伊藤 貴之
    • 雑誌名

      日本応用数理学会2021年度年会講演予稿集

      巻: 2021 ページ: 495-496

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ブロックデザインを用いた順位決定手法の提案2021

    • 著者名/発表者名
      服部佳也乃, 萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集2021

      巻: 1015 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 主成分分析を用いた重み補正のグラフの重み更新による順位の変化への影響2021

    • 著者名/発表者名
      浅見唯葉, 萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集2021

      巻: 1016 ページ: 1-6

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ブロック暗号の乱数性により生じる安全性への影響2021

    • 著者名/発表者名
      島村香帆, 萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集2021

      巻: 1017 ページ: 1-7

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 評価値合計順の彩色アルゴリズムとウェルシュパウエルの彩色アルゴリズムの比較2021

    • 著者名/発表者名
      関根彩桂, 萩田真理子, 伊藤貴之
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集2021

      巻: 1020 ページ: 1-4

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 同点評価を含めた印象評価における順位決定と,評価者の偏りを導出する手法の提案2020

    • 著者名/発表者名
      服部佳也乃,浅見唯葉,三輪華子,麻田真実,森島佑美,山岸美里,萩田真理子
    • 雑誌名

      応用数学合同研究集会予稿集2020

      巻: 1018 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ブロックデザインを用いた順位決定手法の適用条件2023

    • 著者名/発表者名
      栗原由羽、浅見唯葉、萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] AES暗号の変換ごとの安全性評価2023

    • 著者名/発表者名
      古川早紀、島村香帆、萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ブロックデザインを用いた順位決定手法の評価2022

    • 著者名/発表者名
      浅見唯葉,萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 評価値合計順の彩色アルゴリズムを用いた選出によるビッグ データの評価方法2022

    • 著者名/発表者名
      関根彩桂,浅見唯葉,萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] グラフの重み更新を用い た順位決定のための主成分分析 による重み補正2021

    • 著者名/発表者名
      浅見唯葉, 服部佳也乃, 三輪華子, 萩田真理子
    • 学会等名
      日本応用数理学会2021年度年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 評価値合計順の彩色アル ゴリズムとウェルシュパウエル の彩色アルゴリズムの比較2021

    • 著者名/発表者名
      関根 彩桂, 萩田 真理子, 伊藤 貴之
    • 学会等名
      日本応用数理学会2021年度年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ブロックデザインを用いた順位決定手法の提案2021

    • 著者名/発表者名
      服部佳也乃, 萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 主成分分析を用いた重み補正のグラフの重み更新による順位の変化への影響2021

    • 著者名/発表者名
      浅見 唯葉, 萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ブロック暗号の乱数性により生じる安全性への影響2021

    • 著者名/発表者名
      島村香帆, 萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 評価値合計順の彩色アルゴリズムとウェルシュパウエルの彩色アルゴリズムの比較2021

    • 著者名/発表者名
      関根 彩桂, 萩田 真理子, 伊藤 貴之
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 同点評価を含めた印象評価における順位決定と,評価者の偏りを導出する手法の提案2020

    • 著者名/発表者名
      服部佳也乃,浅見唯葉,三輪華子,麻田真実,森島佑美,山岸美里,萩田真理子
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ブロック暗号のS-box変換のサイクル分解が与える安全性への影響2020

    • 著者名/発表者名
      山本ひなの,島村香帆,萩田真理子
    • 学会等名
      応用数理学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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