研究課題/領域番号 |
20K03726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
奈良 知惠 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員(客員研究員) (40147898)
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研究分担者 |
伊藤 仁一 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多面体 / 折りたたみ / 移動折り目 / 連続的平坦化 / 剛性折り / 高次元正多面体 / 星形正多面体 / ひし形の翼折り / 星型正多面体 / 剛性 / 高次元の正多面体 / コーシーの剛性定理 / 平坦折りたたみ / 正多面体 / 正多胞体 / リンケージ / 2次元スケルトン / 連続的折りたたみ / 折り畳み / 連続的変形 |
研究開始時の研究の概要 |
「与えられた剛性条件を満足するように,多面体を連続的に平坦に折り畳む方法を求めよ」という問題を解決する。 2001年にドメインらによって考案された「紙のように折り目で折れる素材でできた多面体を,伸縮や切断をせずに,連続的に平坦化せよ」という問題について,筆者は,離散幾何学の知識をベースに直近10年以上この問題に取り組み,他の研究者らと共に3種類の方法を見出して,一部の多面体について解決した。 そこで,多面体に剛性条件を付加して,連続的に平坦化する問題に取り組み,折り畳みに必要な数理的条件を明確化する。これらの成果は折り畳み式製品開発への貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
折り畳み式製品において伸縮展開がスムーズにでき,成型がシンプルであることは重要である。多面体の表面についてこのような観点から,伸縮や切り込みなしで連続的に平坦化する問題に取り組み,一部の例外を除き,どんな多面体にも適用できる方法を見出した。例外に含まれる星形正多面体については複数の方法を組み合わせて解決した。 災害用の折りたたみ式防災帽子やテントの設計では,連続的折りたたみにおいて剛性な面(あるいは辺)が有用となる。そこで,いくつかの正多面体についてそれらを最大にする折り方を示した。また,高次元の多面体ついて2つの連続的平坦化の問題を提示し、それぞれについてほぼ半数の正多面体について解決した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多面体の剛性に関する問いに対して,コーシーによる凸多面体の剛性定理(1813年)はより一般の多面体の研究や平坦化の動きに関する研究,あるいは高次元化へと発展している。多面体を切り込みや伸縮なしで平坦化するためには,どれかの面の形を折り目によって変形し続ける必要がある。このような折り目の動きや占める領域を求めることが問われるようになった。3次元のみでなく高次元の多面体の連続的平坦化の問題にも取り組み,折り目の入らない(剛性)面や辺に注目して,具体的な折りたたみの方法とともに連続的平坦化のプロセスを提示した。折りたたみ式防災用帽子の過去の例と同様に,折りたたみ式製品開発への応用が期待できる。
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