研究課題/領域番号 |
20K03733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 熊本大学 (2021-2022) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
貝瀬 秀裕 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (60377778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 最適制御 / 動的計画法 / 動的計画偏微分方程式 / 経路依存系 / 粘性解 / 非線形偏微分方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
最適制御は刻々と変化する系の状態を所与の基準に従って制御することを目標とし、動的計画法や動的計画偏微分方程式は、最適制御問題における制御主体者の最適戦略(制御器)を設計するために基本的である。本研究では、系の状態の時間発展や基準が現時刻のみならず過去の状態履歴に依存するような種々の最適制御問題における動的計画法や動的計画偏微分方程式の数学的基礎研究を行う。
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研究実績の概要 |
最適制御は、動的なシステムの状態を、あらかじめ指定した基準を最適化するように制御するための理論である。通常、システムの未来の状態は現時刻の状態によって決定されるというマルコフ性を仮定することが多いが、過去の状態も考慮する必要がある経路依存系の重要性が諸分野で指摘され、経路依存系に対する最適制御の研究の進展が望まれている。本研究課題では、様々な経路依存系に対する動的計画法や、それに関連する動的計画偏微分方程式の数学理論を発展させることを目標とする。本年度の研究の概要は以下の通りである: ・前々年度、前年度より研究している非整数階常微分方程式に対する最適制御における動的計画偏微分方程式の粘性解について、条件の精緻化を行なった。その研究結果を論文にまとめて学術雑誌に投稿した。 ・経路依存系ゼロ・サム微分ゲームにおける上側・下側Isaacs偏微分方程式を補間する中間的Isaacs偏微分方程式の研究を行なった。前年度までに得られた結果や条件を改善し、中間的Isaacs偏微分方程式の粘性解の近似解を構成し、また近似解の離散時間微分ゲームの観点からの意味を与えた。この研究成果を論文にまとめて、学術雑誌に投稿を行なった。 ・非整数ブラウン運動を含む確率微分方程式に対する確率制御の研究が世界的に活発である。そのような確率微分方程式はVolterra型確率積分方程式に一般化され、非整数階常微分方程式もそれに含まれる。Volterra型確率積分方程式の近年の研究状況を調査し、非整数階常微分方程式に対する最適制御の自身の研究の新たな可能性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非整数階常微分方程式の最適制御や経路依存系微分ゲームに関しての研究に一定の進捗があり、研究成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
非整数階微分方程式の最適制御に関する研究が非常に盛んに行われている。特に、数理ファイナンスにおける問題を動機としたVolterra型確率積分方程式の最適制御の研究は、Bellmanの動的計画法やPontryaginの最大原理の観点から猛烈なスピードで進展している。研究計画当初は予想していなかったこのような状況を踏まえ、研究計画とVolterra型確率微分方程式の研究の関わりについて検討を行いつつ、研究を進めていきたい。
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