研究課題/領域番号 |
20K03734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中田 行彦 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30741061)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 分布型の時間遅れ / 周期解 / ハミルトン系 / 遅延微分方程式 / ヤコビの楕円関数 / 時間遅れをもつ微分方程式 / 安定性 / ダイナミクス / 微分方程式 / 時間遅れ / 楕円関数 / 数理生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、広いクラスの分布型時間遅れを持つ非線形微分方程式の周期解の存在性や安定性について解析する。分岐理論の適用によって、平衡点のホップ分岐から出現する周期解の安定性を明らかにする。次に、先行研究の手法を応用し、広いクラスの分布型時間遅れを持つ非線形微分方程式に対して、周期解の存在条件の定式化を行う。周期解の安定性への理解を深めるために、解を再帰的に計算することが出来るある種の極限方程式も検討する。本研究は、学際的研究である一面も持っており、研究の遂行には国内外の研究者との議論や情報交換が重要であり、国内外の研究者との研究打合せや、 セミナー、学会における研究発表を予定する。
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研究実績の概要 |
本研究では、分布型の時間遅れをもつ微分方程式の周期解について研究を行っている。時間遅れをもつ微分方程式の定性的な性質は、古くから研究されてきたが、 時間遅れと方程式の非線形性によって現れるダイナミクスについては未解明な点が多く残っている。本研究では、申請者の先行研究より発見された、ヤコビの楕円関数を用いて明示的に表される周期解をもつ分布型の時間遅れをもつ遅延微分方程式の例をきっかけとして、 あるクラスの遅延微分方程式の周期解の存在性や安定性について研究している。申請者は、非線形関数が適当な奇関数で与えられる場合、分布型の時間遅れ微分方程式の対称的な周期解が、あるハミルトン系常微分方程式によって与えられることを示している。また適当な変数変換によって、周期解の族を構成出来ることを調べている。本研究結果を、現在論文として纏めている。さらに、本研究を、積分核が対称性をもつ関数で与えられる状況へと拡張している。以上の研究結果 を国内・国外の研究集会やセミナーで発表している。 また、申請者は、共同研究者のGabriella Vas氏(ハンガリー)と、階段関数による非線形性をもつ分布型の時間遅れ微分方程式の解析を行っている。この方程 式に対しては、容易ではないが、解を逐次的に計算することが可能である。この研究から、周期解の安定性をはじめとして、分布型の時間遅れをもつ微分方程式 のダイナミクスについて示唆を得ている。 あるクラスの時間遅れをもつ微分方程式は、ハミルトン系常微分方程式と関連しているが、その関係性の全貌はまだ 明らかになっていないと考えられる。本研究によって、その関係性を詳しく調べ、あるクラスの時間遅れをもつ微分方程式の周期解について知見を得る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計算や先行研究の整理に時間がかかっており、論文執筆の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在執筆中の論文を完成させ、学術雑誌への投稿を目指す。
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