研究課題/領域番号 |
20K03744
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合田 隆 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50733648)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | モンテカルロ法 / マルチレベルモンテカルロ法 / 確率的最適化 / 確率的勾配降下法 / 入れ子型期待値 / ベイズ実験計画法 / ベイズ実験計画 / 確率的近似法 / 不偏推定 |
研究開始時の研究の概要 |
確率的最適化とはパラメータを含む期待値を最小化あるいは最大化するための数値計算法であるが。既存のアルゴリズムでは期待値の(パラメータについての)勾配に対する不偏推定量を構成できることが陰に仮定されてきた。本研究では不偏推定量を構成することが必ずしも容易ではない、あるいは困難な状況に対する確率的最適化について考究する。マルチレベルモンテカルロ法を駆使した新奇的かつ明示的アルゴリズムを提示することによって、確率的最適化の適用可能性を拡張し、当該分野に新しい展開をもたらす。更に、ベイズ的実験計画法の最適化や変分オートエンコーダの学習といった具体的な問題へ応用し、その有効性を実験的にも示す。
|
研究成果の概要 |
入れ子型期待値と呼ばれる量がパラメータに依存する状況において、その量を最大値あるいは最小化するという問題に取り組んだ。このような問題設定はベイズ実験計画法だけでなく、機械学習を含む多様な科学技術分野に現れる。本研究は、特に目的関数(入れ子型期待値)の勾配に対する不偏推定量を構成することによって、確率的勾配降下法の適用範囲を拡大することを目標に取り組んだ。具体的な成果としては、マルチレベルモンテカルロ法と呼ばれる方法を適切に乱択化することによって、勾配の(有限な分散を持つ)不偏推定量を構成できることを理論的に示し、数値実験を通じて応用上における有効性を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存のアプローチとしては、入れ子になっている期待値のそれぞれをモンテカルロ法で近似するという方法が取られてきたが、どんなにサンプル数を増やしても不偏性を持たないことから、確率的最適化において正しい値に収束しないという問題点があった。本研究成果によってこの問題を解決し、より広いクラスの最適化問題に対して、確率的最適化が理論的にも実験的にも適切に最適解を探索できることになった点に学術的意義がある。また、様々な科学技術分野への応用が考えられるため、具体的な応用を通じて研究成果の社会的意義を見出すことが出来る。
|