研究課題/領域番号 |
20K03755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
竹内 康博 青山学院大学, 理工学部, 客員教授 (20126783)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生物数学 / 構造相似性 / タイムラグ / 非線形現象 / 周期解 / カオス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,与えられた数理モデルを個別に数理解析することだけが目的ではなく,現実の生物社会の非線形現象を惹起するモデルの非線形構造を解明する.そのことにより,現実の生物システムにおける非線形現象を解明する.基本数理モデルを構築して,生物学的に明快な意味を有する時間遅れを含む力学系の局所的・大域的性質を調べる.そのために必要となる数学的概念や解析手法の確立を目指す.一般的に安定な系に時間遅れを導入すると系は不安定化することが知られている.本研究は新しい数理解析手法を確立するとともに,生物学の新しい知見を発見する 創造的な研究である.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は以下の通りである.生態系における生物種間の相互作用や感染症の伝播,体内におけるウイルスや癌と免疫系の相互作用など,生物システムにおける非線形現象が明らかにされてきたが,このような非線形現象を惹起させる個々のシステムの構造は謎のままである.本研究は様々な生物システムがその基本構造に本質的な相似性を有することに着目し,基本数理モデルに統合しその定性的な性質を解明する(目的1). 得られた基本数理モデルに生物学・医学的に合理的な非線形構造を導入し,個々のシステムに惹起される非線形現象を解明する(目的2).特にモデルにタイムラグを導入し,時間遅れがモデルの大域的挙動に与える影響を考察する(目的3).基本数理モデルの解析に必要な数学的概念や数学的手法を確立するとともに,基本数理モデルの解析に必要な数学的概念や数学的手法を確立し,個々の生物を含むシステムにおける様々な非線形現象の理解を深め,生物学や医学に必要な実験を提案していくことを目指す(目的4). 本年度は昨年度に引き続き,様々な生態系や感染症伝播に関連する具体的な問題を取り上げ,タイムラグや系の特徴が系のダイナミクスに与える影響を考察した.感染症伝播問題では,複数のタイムラグを導入した数理モデルを構築した.有限な免疫保持期間を表すタイムラグを有するSIRSモデルに,正確な感染者数に関する情報を得るためには一定の時間が必要であることを表現するタイムラグを導入した.構築した数理モデルのダイナミクスの安定性や周期解の存在についてタイムラグの影響を考察した.生態系に関する問題では次の2つの系を考察した.捕食者・被食者モデルで捕食者による被食者に対する捕食圧を原因とするアリー効果を導入し、複雑なダイナミクスを考察した.またロジスティックモデルにタイムラグと一定量の流入項を導入し、それらの系の安定性に関する影響を考察した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は昨年に引き続き,様々な生態系や感染症における具体的な問題を取り上げ,それぞれ数理モデルを構築し,その定性的性質や分岐現象を解析した.その結果,対象とする系独自の興味深い性質や構造を明らかにしてきた.またこれらの数理モデルの諸性質と実現象の関連を考察できた.また異なる系に共通する性質や構造があることを再確認することができた.本研究の目的である数理モデルに生物学・医学的に合理的な非線形構造を導入し,個々のシステムに惹起される非線形現象を解明する(目的2)ことは実施できた.しかし,本研究の目的である,様々な生物システムがその基本構造に本質的な相似性を有することに着目し,基本数理モデルに統合しその定性的な性質を解明する(目的1)には至っていない. 新型コロナ感染症の流行により対面での議論や共同研究の実施が困難であり,オンラインでのセミナー・議論で研究を継続させた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は様々な生物システムがその基本構造に本質的な相似性を有することに着目し,基本数理モデルに統合しその定性的な性質を解明する(目的1)とともに,数理モデルにタイムラグを導入し,時間遅れがモデルの大域的挙動に与える影響を考察する(目的3). そのためには,国内外の研究者との研究交流が必要であり,国際・国内の学会や研究集会で発表・調査を行い、新型コロナ感染症流行下でも可能な研究協力を模索していきたい.
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