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高レイノルズ数一様乱流の動力学および普遍的構造に関する計算物理の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K03763
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13010:数理物理および物性基礎関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

芳松 克則  名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (70377802)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード流体物理学 / 乱流 / 応用数学 / 計算物理学 / 大規模計算 / 計算機物理学 / 流体
研究開始時の研究の概要

我々の身の周りにある流れの大半は乱流である。その多階層性を十分に捉えた大規模直接数値計算、および、そのデータ解析は、乱流解明の強力な手段のひとつである。流れの非線形性が粘性効果に比べ十分強い、高レイノルズ数の乱流では、エネルギーの大部分を保有する大きなスケールよりも十分小さなスケールに普遍的構造があると考えられている。本研究では、3次元非圧縮一様乱流における (1) 強い渦構造の乱流統計やエネルギー輸送への影響、(2) 乱流の動力学、 (3) 典型的な非等方力の乱流の小スケールへの影響について研究を実施する。

研究実績の概要

流れの非線形性が粘性効果に比べ十分強い乱流(高レイノルズ数乱流)では,エネルギーの大部分を保有する大きなスケールより十分小さなスケールにおいて普遍的構造があると考えられている。高レイノルズ数乱流における小スケールの普遍的構造について,計算物理学的手法および理論解析を用いて研究を行う。規範的な乱流である周期境界条件下の3次元非圧縮性乱流を対象とする。直接数値計算(DNS)には,高精度高解像度の場が得られる,エリアスエラーを除去したフーリエスペクトル法および4次精度ルンゲクッタ法を用いる。本研究の目的は,DNSおよび理論解析により,3次元非圧縮一様乱流における (A) 非等方外力の乱流の小スケールへの影響に関する普遍的性質,(B) 強い渦構造の乱流統計やエネルギー輸送への影響,(C) 乱流の動力学,非ガウス性の起源を解明することである。
鏡面非対称な統計量であるヘリシティをもつ一様乱流の速度相関スペクトルに対する線形応答理論(LRT),及び,e-z-h分解に基づく摂動展開との対応を明確にした。一様磁場下の低磁気レイノルズ数電磁流体乱流のDNSにエネルギーとヘリシティを一定に保つ外力を導入した。おおよそ1大規模渦回転時間を経過すると乱流場は十分に発達するけれども,さらに数大規模渦回転時間にわたり発展しつづけると,エンストロフィが激減することがわかった。これは,ヘリシティを一定に保ち続けたためエネルギーの逆カスケードが起きているからだと推測される。また,平均濃度勾配下のパッシブスカラー乱流のLRTに関する研究も進めた。そのLRTの粘性対流領域への拡張,ならびに,実空間での3次構造関数の理論解析による非等方性に関する統計則の導出を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナなどの影響による遅れが残っている。また,波数空間での理論解析と実空間での解析との対応の明確化,鏡面対称性が破れた系の解析において現れたある項の処理に時間を要した。しかし,こられも完了し,乱流のLRTの展開が直実に進んでいる。また,非等方力の検討,および,エネルギーを保持するための外力の検討も終わった。一部は予備的なDNS解析ではあるものの,本理論解析とDNSの結果がよく一致することも示している。さらに,より大規模な3次元非圧縮一様乱流のDNSの効率的実行のために,コンパクト差分法とフーリエスペクトル法をハイブリッドし,MPIとOpenMPで並列化されたDNSコードの利用も開始した。フーリエスペクトル法は,圧力のポアソン方程式を解く際に用いられている。

今後の研究の推進方策

引き続き,典型的な非等方力を受けた3次元非圧縮一様乱流の小スケールにおける鏡面非対称な統計量に対する影響について,大規模DNSデータの解析を進め,理論との比較を行い,小スケールにおける非等方性に関する統計則を解明する。ヘリシティを一定としない外力を用いて長時間DNSを実行し,統計量の時間平均をとる。また,一様パッシブスカラー場に対する平均スカラー勾配の影響の研究を推進し,今後の理論展開についても考察する。コンパクト差分法とフーリエスペクトル法をハイブリッドしたDNSコードに基づいて,より大規模なDNSに必要なコードを作成し,名古屋大学のスーパーコンピュータシステムFX1000においてデータ解析を実施する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Statistics at small scales of a passive scalar field with a uniform mean scalar gradient in isotropic turbulence2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Kaneda and K. Yoshimatsu
    • 学会等名
      76th Annual Meeting of the Division of Fluid Dynamics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 一様パッシブスカラー乱流の小スケールにおける非等方性2023

    • 著者名/発表者名
      芳松克則、金田行雄
    • 学会等名
      日本流体力学会年会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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