研究課題/領域番号 |
20K03772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
古池 達彦 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (40286646)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 量子情報 / 時間最適性 / 量子最速降下線 / ポントリャーギン最大値原理 / 特異制御 / 量子最適効果曲線 / 量子制御 / 時間最適制御 / 最大値原理 |
研究開始時の研究の概要 |
量子コンビューターの実用化が視野に入ってきた現在、その素子に代表されるような「量子デバイス」を可能な限り速く精確に動作させることが必須となってきた。一方、物理学の観点からは、量子デバイスの性能の原理的な限界を調べることが、この世界の全ての現象が従うと考えられている量子力学そのものの不思議な性質(例えば「不確定性原理」など)をより深く理解することに役立つ。私の研究は、量子物理系を最も素早く制御する「時間最適量子制御」の問題に対する基礎理論 の構築である。私が以前に構築した枠組みを一般化することで、上記の応用上および理論上扱うほぼ全ての量子物理系に対して適用できる理論とする。
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研究実績の概要 |
本課題研究の目的は量子系を素速く精確に制御する方法を明らかにすることである。制御とは系を所望の状態に保ったり変化させることを指す。量子系を自在 に制御するためには外場や測定の影響を理解する必要がある。特に、最適制御の研究は量子ダイナミクスの限界を明らかにするという基礎研究のみならず、情報 処理への応用という面でも意義が大きい。例えば現在の量子計算機においては、量子状態が壊れてしまう前にできるだけ多くの計算を行うことをが必須である。 研究代表者は、従来から時間最適制御を変分原理により求める方法を開発してきた。それは「量子最速曲線法」と呼ばれている。昨年度は、時間最適量子制御に 対する基礎理論を構築・確立した。与えられた制限下で所望の量子操作を最速に行う方法を求める理論である。これを、量子最 速曲線法を「ポントリャーギン 最大値原理」という手法で拡張することで実現した。その結果、従来扱えなかった不等式拘束条件を扱えるようになり、理論および応用上遭遇するほぼ全ての状 況に適用可能となった。 本年度は、確立された理論を実際に応用すべく研究を継続中である。特に、我々の方法を用いれば既存の方法を越えた計算速度を実現可能であることを示すため の研究を遂行中である。特に、本学量子計算センターで利用可能な量子計算機実機への具体的応用をシミュレート中である。一方、確立した量子最速曲線理論の 周知および普及にも資するべく、国外専門誌において来年度出版予定の招待論文を執筆した。コロナ禍で多少の遅れが生じてい るが、研究の基礎段階の遂行および若手の研究協力者の育成を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度新たな遅れは生じていないが、前年度までの新型コロナウィルス感染拡大等による進捗の遅れが影響した。
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今後の研究の推進方策 |
徐々に研究協力者等との議論も頻繁に行えるようになりつつあるので、多少の遅れはあるものの当初の研究計画にしたがって粛々と研究を進めていく予定であ る。
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