研究課題/領域番号 |
20K03773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
中村 統太 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50280871)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 格子変形 / 機械学習 / モンテカルロ法 / 相転移 / モンテカルロシミュレーション / サイン自乗変形 / カーネル法 / マルチカノニカル分布 / 古典アニーリング / 古典スピン系 / シミュレーション技法 / データ解析 / 複雑スピン系 |
研究開始時の研究の概要 |
機械学習アルゴリズムを駆使して、複雑スピン系の研究に革新をもたらす新たな数値計算技法を開発します。 まず、「数値データから物理的な結果を最大限引き出す」ためのデータ解析技法開発を行います。次にシミュレーション技法開発ですが、ここでの最大のポイントは、解決したいターゲット系とは異なる別の系をシミュレートしながら、ターゲット系の物理量を効率良く求めるようにすることです。シミュレート系は動的に変更しながら最適なものを自律的に探索していきます。このシミュレート系の動的変更を実現するのが「格子変形」であり、その指針を与えるのが「機械学習」です。 最適化問題や負符号問題への応用も視野にいれています。
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研究成果の概要 |
磁性体のスピンモデルに対して、スピン間相互作用の強さに変調を加えて、測定される物理量の温度変化を一括して求めるシミュレーション手法の開発を行った。これと同時に、測定された物理量の解析に機械学習を用い、相転移温度近傍での測定精度の向上を行った。 これを各種スピンモデルに応用してその有用性の確認を行った。厳密解のわかっている模型では、相転移温度や臨界指数をこれまでにない精度で求めることができた。従来から解析が困難であったコスタリッツサウレス転移を示す模型でも、十分な精度での計算が実現した。非整合相などが実現する複雑な系では特に有効な手法であることも確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一様な系の解析を変形を加えた別な系で代用することができる、しかも一様系で生じていた解析の困難を緩和・解決することができる、このような野心的な試みを達成することがこの研究課題の最も重要な意義です。結果として、測定量の精度向上が確認され、解析困難系への応用の道も開けました。これまでは一様系の解析は一様系のシミュレーションで行う、という固定観念に一石を投じる成果だと言えます。従来の価値観に囚われず、そこを崩した上で新しい価値観を創造する、という意味では社会的な意義も大きいと言えます。
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