研究課題/領域番号 |
20K03775
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
巌佐 正智 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (20444375)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 自己組織化 / 自己駆動粒子 / 群れ / 数理モデル / 構造形成 / 非対称相互作用 / 散逸系 / 走化性細胞 / 細胞間コミュニケーション / 細胞性粘菌 / アクティブマター / 非線形系 / 非平衡系 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞から動物に至るまで自然界において,ひいては人間社会においても,生物の個体同士が互いに影響を及ぼし合った(相互作用した)結果として,その集団に秩序ある振る舞いが自発的に形成される現象(自己組織化現象)は様々に見られる.このような自己組織化現象は多様であるが,そこに通底する原理や法則を探究するため,相互作用する粒子集団の数理モデルであるSwarm oscillatorモデル(SOモデル)を解析する.SOモデルは,単一のモデルながら多様な空間的なパターンが生じることが判っている.よってSOモデルの詳細な解析により,自己組織化現象に潜む一般的な原理が見いだされることを期待している.
|
研究実績の概要 |
本研究課題の主要な研究対象であるSwarm oscillatorモデルは,相互作用する自己駆動粒子集団のモデルであるが,粒子間に生じる相互作用は,作用・反作用の法則が成立しない非対称な相互作用となっている.そして,その相互作用の非対称性が原因となって,多様な自己組織化パターンがもたらされることがこれまでに解っており,Swarm oscillatorモデルを数理的に探究することで,様々な生物個体集団の集団現象に通底するパターン形成メカニズムを明らかにできるのではないかと考えている. このような視点が妥当なものであるかどうかを確認するためには,Swarm oscillatorモデルの解析のみに注力するのではなく,他方で,現実にはどのようなシステムでSwarm oscillatorモデルと同様の特性をもつ粒子集団が存在しうるかを同時に検討しつつ進めることも重要な課題である. そのような観点の下,人間同士の間に生じる力学的な二粒子間相互作用を解析した結果,人間同士の間にも非対称な相互作用が生じることが明らかとなった.具体的には,力学的に押し合う(または引き合う)人間同士の間には,有効的にはどのような力が生じることになるか,モデル化を行い,解析した.結果として,ある特殊な状況を除き,一般には二人の人間同士の間には,非対称な相互作用が生じることが明らかとなった.さらに,どのような状況下でどの程度の非対称性が生じるかを,人間の典型的なパラメータ値の下で検討を行い,定量的な評価を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度に得られた研究成果は,当初の計画の段階では想定されていなかった内容であった.しかし,本研究課題の成果が将来的により意義深いものとなるよう,本来の計画の実施と並行して人間を対象として考察を進めた結果,重要な事実が見いだされる萌しが確認され,また,その結論は異分野にも波及効果のある重要な課題だと考えられたため,その点に焦点を当てて優先的に研究を遂行した.結果として,当初の計画の内容については進捗がやや遅れている状況である.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の計画に沿い,研究を遂行する予定である.
|