研究課題/領域番号 |
20K03781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 三重大学 (2022) 東京工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
高橋 和孝 三重大学, 工学研究科, 特任准教授(研究担当) (70415214)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 断熱ショートカット / 速度限界 / 量子開放系 / 古典確率過程 / Krylov部分空間法 / 量子熱機関 / Lee-Yangゼロ / 量子速度限界 / 量子アニーリング / 量子マスター方程式 / 完全計数統計 / ゆらぎの定理 / Thoulessポンプ |
研究開始時の研究の概要 |
系を外部から周期的に駆動することによって生じる非平衡現象の研究を行う。ゆらぎが主要 な役割を果たす微小系を主に扱い、熱力学系としてみたときの特性や、実用的な制御の効率・最適性などを調べる。操作をゆっくり行うときに正当化される断熱近似に基づく描像や結果をこえることに主眼をおく。完全計数統計理論の枠組みにおいて、断熱ショートカットの方法(Shortcuts To Adiabaticity)に基づいた解析を行い、「非断熱描像」を明らかにする。
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研究成果の概要 |
系を周期的に駆動したときの状態制御について研究を行い、主に次の成果を得た。(1)断熱(準静的)近似に頼らずに系を任意速度で制御する方法について、Krylov部分空間法に基づいて制御項を構成する一般的な処方箋を得た。(2)任意の二つの時間発展状態の「距離」が満たす普遍的な不等式を得た。従来知られている関係式と違って、周期系にも有用なものとなる。(3)量子開放系への応用を行い、散逸効果を調べた。散逸効果が系の状態に応じて適応的に決まるため、系のふるまいは複雑なものとなる。(4)古典確率過程への応用を行った。量子系と同様にして、緩和過程やアニーリング過程、周期過程などを扱うことができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの物理学の基礎理論では、系の状態は主に静的な視点から議論されてきた。外部から駆動される場合や、系が自発的に安定状態に向かって変化する過程を捉えることは、各論の問題になってしまうため、普遍的な描像を得ることができていなかった。 系を動的に制御する手法が近年議論されるようになってきている。この方法は動的な系の普遍的な描像や記述法を明らかにしてくれるものでもある。本研究では、熱機関や量子系、古典確率過程などの周期駆動系を分野横断的に扱い、動的な系の特徴を調べている。新しい方法を提案することや普遍的に成り立つ不等式の導出を行い、熱機関など具体的な問題の特性を調べた。
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