研究課題/領域番号 |
20K03783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
新山 友暁 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (00583858)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 塑性変形 / 自己組織化臨界現象 / 結晶 / アモルファス固体 / 分子動力学シミュレーション / アモルファス / 自己組織化臨界 / ガラス / 非平衡・非線形物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
金属やガラスのような固体に外力を加える時,しばしば突発的に大規模な変形が発生し,その統計的な性質は地震現象などに代表される臨界的な現象と共通の性格を持つ。このような臨界的な塑性は多様な材料の個別的性質に影響されない普遍性をもつとされていたが,実際には材料の種類によって統計性が異なるのではないかということが近年議論されている。これに対して,本課題では,粒子モデルを用いることで仮想的に様々な特性,とくに塑性の素過程(基本メカニズム)が異なる固体材料を再現し,そのシミュレーション解析を通じて,変形素過程に代表される固体材料の多様性が臨界塑性現象の普遍性に及ぼす影響を調べる。
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研究成果の概要 |
固体材料の塑性変形を,地震現象に代表される非平衡系の臨界挙動の視点から理解するために,異なる素過程を持つ固体(結晶・ガラスのような不規則構造・両者が混在した固体)の原子スケールのシミュレーションを行った。この結果,構造によっては脆性的な破断と延性を示すモデルがえられたが,全ての構造において臨界塑性に特有の統計分布に従った変形挙動を示した。この分布の特徴と構造・機械特性には明確な相関は見いだせず,材料種や構造に起因する固有性は明確には認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で注目する臨界的な挙動は,固体塑性においては突発的に大規模な変形が発生することに対応する。これは,不規則構造固体においては突発的な変形集中による脆性破壊を誘引する。このことから本課題の結果は,金属結晶やガラス・アモルファス固体の延性・脆性の理解し,突発的な破壊の抑制につながることが期待される。また,非平衡臨界挙動と材料機械特性の両学術領域間で,各分野で培われた知見の相互作用と発展が促進されるであろう。
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