研究課題/領域番号 |
20K03784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
野口 良史 静岡大学, 工学部, 准教授 (60450293)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 第一原理 / GW近似 / Bethe-Salpeter方程式 / 励起子 / グリーン関数法 / 励起状態 / 光吸収スペクトル |
研究開始時の研究の概要 |
第一原理計算は、経験的なパラメータや実験事実を必要としない高信頼性を持った計算手法である。物理方程式をスーパーコンピュータの計算能力を用いていわば力任せに解法するために、使用する近似の種類に結果が依存する。現在、数多くの手法が開発されているが、GW+Bethe-Salpeter法は最も高精度な励起状態計算手法の一つである。本研究課題は、さらなる高精度計算手法の開発を目指し、世界に先駆けてGW+Bethe-Salpeter法を追加近似なしに「厳密」に解法するための手法およびプログラム開発を目指すものである。
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研究成果の概要 |
完全なGW電子-ホール相互作用核を考慮した第一原理GW+Bethe-Salpeter法を開発し、我々が独自に開発をしている全電子混合基底法プログラムへ実装した。まず26個の典型的な有機分子へ適応し、完全なGW電子ホール相互作用核の寄与を調査した結果を、詳細な定式化とともにPhys. Rev. B, 106, 045113 (2022)に掲載し、国内外の学会で発表した。 さらに本手法を分子間および分子内電荷移動型励起へ適応し、完全なGW電子-ホール相互作用核の寄与を詳細に調査した。この結果はJ. Chem. Phys., 159, 234105 (2023)に掲載し、国内外の複数の学会で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1995年にOnidaらにより初めて第一原理GW+Bethe-Salpeter法が現実物質へ適応されて以来、今年でおよそ30年がたとうとしている。以来、実際の計算ではGW近似に加えてさらなる追加近似がGW電子-ホール相互作用核に対して陥られてきた。そのため、GW近似の範囲でも「厳密」に解放するには至っていないのが現状である。そこで本研究では追加近似を用いずに「完全な」GW電子-ホール相互作用核を計算することのできる新たな計算手法を開発し、いくつかの分子へ適応しその寄与の大きさを明らかにした。
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