研究課題/領域番号 |
20K03815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 隆史 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70189075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 金属/半導体界面 / ギャップ状態 / 第一原理計算 / ショットキーバリア / pn接合 / トンネル電流 / 電場環境下 / エネルギー共鳴 / 原子拡散侵入 / pn接合界面 / 極性反転 / 金属/半導体界面 / 金属クラスター / 量子井戸 / 酸素空孔 / 半導体粒界 / 直接・間接ギャップ半導体 / 表面・界面物性 / 物性理論 / 計算物理 / 半導体物性 |
研究開始時の研究の概要 |
金属/半導体界面が持つ多くの物理的性質は、電子の「ギャップ状態」を変化させることで制御することができます。しかし、ギャップ状態がどのような界面で生まれたり消えるか、電場下でギャップ状態がどのように変形するかは、未だ明らかでありません。本研究では、代表的な金属/Ge界面およびSi-pn接合界面を題材に選び、物理学の基本法則に基づく第一原理理論計算を行い、「ギャップ状態の生成・消滅・変形の仕組み」を解明します。本研究の成果は、新しい界面物理学の開拓につながるだけでなく、近未来の電子デバイスの設計に役立つものと期待されます。
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研究成果の概要 |
本研究では、第一原理計算に基づき、金属/半導体界面におけるギャップ状態の消滅機構や電場下でのギャップ状態変形の仕組みを調べた。その結果、(1)Bi、Pb等の単純金属では、原子の原子半径が大きく電子密度が低いため、金属は半導体層と有効な原子結合を作らず、半導体側のギャップ状態は消滅すること、(2)電場下では半導体のバンドギャップは有効的に小さくなるため、ギャップ状態の侵入長は伸びること、(3)半導体のpn接合に欠陥準位があると、電場下ではギャップ状態とエネルギー共鳴して、ギャップ状態の侵入長を伸ばしトンネル電流を数桁増大させること等の物理描像を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属/半導体界面においては、金属の電子が「ギャップ状態」として半導体のバンドギャップ内に侵入し、界面に多量の欠陥を発生させたり界面を介しての電子の移動障壁を大きく変化させる。しかし、このギャップ状態を消滅させる仕組みや、電場下でギャップ状態がどのように変質するかは明らかでなかった。本研究では、量子力学に基づく数値計算を行い、これら疑問点を解明した。特に、電場下においてギャップ状態が欠陥と結びつくと侵入長は大きく伸び、界面を介した電流を数桁増大させることを解明したが、この結果は学術的に大きな意義を持つだけでなく、将来のデバイス応用にも多くの知見を与えると期待される。
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