研究課題/領域番号 |
20K03819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
森脇 喜紀 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (90270470)
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研究分担者 |
小林 かおり 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (80397166)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 微粒子空間捕捉 / 微粒子 / 超伝導 / レーザーアブレーション / 超伝導転移温度 / 超流動ヘリウム / レニウム / 粘性 / Mie散乱 / 磁場トラップ / 光散乱 / マイクロ波 |
研究開始時の研究の概要 |
磁場を用いて超伝導微粒子を空間捕捉し,その微粒子の物性を明らかにする。超流動ヘリウム中でバルク試料のレーザーアブレーションによりほぼ真球の微粒子を生成・冷却し,超伝導状態にある微粒子を不均一磁場のゼロ磁場に導入して,孤立・単一微粒子の空間捕捉を実現できる。温度や微粒子のサイズを実験パラメターとして,微粒子の捕捉・脱離や光・電磁波との相互作用を調べ微粒子の超伝導転移温度, 超伝導ギャップ, 磁場侵入長などの超伝導物性を明らかにする。単独の微粒子を生成,空間捕捉し,検出・測定する手法を開発・確立し,超伝導転移機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
超流動ヘリウム中でのレーザーアブレーションにより生成された超伝導微粒子は,マイスナー効果により四重極磁場中に単独で空間捕捉される。空間捕捉された超伝導微粒子を用いて以下の研究成果を得た。微粒子による光の散乱角依存性はMie散乱モデルにより説明でき,超伝導微粒子の光学定数が常伝導と同等であり,極低温での微粒子の大きさを捕捉中に測定することが可能となった。微粒子の運動解析により,レニウム超伝導微粒子における磁場侵入長が求められた。レニウムの微粒子では,これまでに報告されている中で最も高い超伝導転移温度が実現できることが示された。このような高い転移温度が生じるメカニズムを今後調べることが大切である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単一超伝導微粒子の空間捕捉法により,微粒子の超伝導物性,光学物性,超流動ヘリウムの物性測定に現状でどこまで迫れるかが示された。歪などにより超伝導転移温度Tcの増強が報告されているレニウムについて,低温ヘリウム環境で作成した微粒子がこれまでで最も高いTcを実現していることが示された。また,光散乱を用いたin situでの微粒子径測定法は,対象が小さく,作動距離が大きいため光学的な顕微鏡が利用できない場合にも有効に使える点で意義がある。
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