研究課題/領域番号 |
20K03820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大橋 史隆 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20613087)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 半導体 / クラスレート / 薄膜 / ナトリウム / IV族系材料 / 電子物性 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
II型IV族クラスレートは、IV族原子(Si、Ge)のsp3結合で形成されるかご状構造を示し、Naなどをかごに内包し、NaxIV136と表される。Naのイオン化により電子が供給されるため、Naの内包量(24 ≧ x ≧ 0)に応じて、金属から半導体へと変化する。NaxIV136は、赤外から可視光領域の直接遷移型のバンドギャップを有することから、光電変換デバイスなどへの応用が期待できる。近年我々のグループでは、実用化に向けて重要な、薄膜合成技術を世界で初めて確立した。本研究では、NaxIV136に含まれるNa量の精密なコントロールと、それによる電子物性・光物性の変化を詳細に調べる。
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研究成果の概要 |
本研究では、IV族系クラスレート膜のNa内包量および分布の制御として膜への電解印加を試みた。膜全体においては、Na内包量の減少を確認したが、局所的なNa内包量の低減についての確認には至らなかった。電極形成については、電極材料としてAgを用いた場合に、比較的安定したオーミック特性を得た。また、Alを電極材料とした場合においては、数桁以上の抵抗値の増加を確認しており、膜表面においてNaとAlの絶縁性化合物の形成を示唆している。電気伝導特性については、長時間の真空熱処理によりNa内包量を低減した試料において、光照射による電流増加を確認した。また、光吸収スペクトルによる基礎吸収端の評価を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SiまたはGeがフレームワークを構成するII型クラスレートは、計算結果から直接遷移型半導体であり、その合金化によりバンドギャップを1.2 eVから1.8 eVの間で制御できるとされている。これらの特性により毒性の低いIV元素による、高効率太陽電池や発光素子への応用を期待できる。しかしながら、薄膜化が困難であり、半導体の詳細な物性評価およびデバイス化には至っていない。また、合成時に結晶構造中に内包されるアルカリ金属の除去技術の確立が必要不可欠である。本研究では、クラスレートの物性評価およびデバイス化を目的として、内包Naの除去技術、電極材料の選定、適切な電極材料による半導体物性評価を行った。
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