研究課題/領域番号 |
20K03826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
御領 潤 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70365013)
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研究分担者 |
植木 輝 北海道大学, 理学研究院, 研究院研究員 (90828469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カイラル超伝導 / スピンホール金属 / トポロジー / 強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / カイラルエッジ状態 / 境界状態 / 超伝導スピントロニクス / 時間反転対称性の破れ |
研究開始時の研究の概要 |
多バンド構造やスピン軌道相互作用が存在する金属系では、スピンホール効果など多彩なスピントロニクスが展開されている。そのような金属系の超伝導ではさらに豊富な現象が生じ、超伝導スピントロニクスやトポロジカル超伝導など興味深い提案が数多くなされているが、未だ開拓の余地が大いにある。本研究では蜂の巣ネットワーク系超伝導体 SrPtAs に注目する。この超伝導体では時間反転対称性を破るトポロジカルなカイラルd-波状態が実現している可能性が高い。我々はスピン軌道相互作用とカイラル状態の協奏により何が起こり得るか詳細に検討し、トポロジー的性質を活用した超伝導スピントロニクスの新たな展開を目指す。
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研究実績の概要 |
スピントロニクスの中核をなすスピンホール効果は,スピン軌道相互作用がバンド構造に十分大きな寄与を及ぼす5d電子系金属などで幅広く観測されている。このような金属でカイラル超伝導が発生した場合にどのようなことが起こり得るか,ということを調べるのが本研究課題の主目的である。候補物質としてはSrPtAs, BaPtAs,などの蜂の巣格子系や,UPt3およびURu2Si2などの重い電子系超伝導体など広範な物質群が挙げられる。我々や共同研究者によりカイラル超伝導体のトポロジカルな構造により資料境界に発生するカイラルエッジ状態がスピン流を運ぶことが数値的に示されていたが,今年度はその解析的な表式を得ることに成功した。現在,この成果の出版に向けて論文を執筆中である。また,境界の形状によってはスピン流のみならずエッジに局在した磁化が発生する場合がある。この条件として境界の形状が持つ対称性との関連が考えられるが,いまだ明らかにされておらず今後の研究課題として残る。一方で,フェルミレベルを変化させ局所磁化が増大するための条件を探ったところ,超伝導ギャップが閉じる点,すなわちトポロジカル相転移点(チャーン数が整数値分だけジャンプする相転移点)においてカイラルエッジ状態のエネルギースペクトルの傾き(準粒子速度)が非常に小さくなる際に増大する機構が存在することを数値的に明らかにした。先ほどの解析的表式を得た成果と合わせて,論文を執筆している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である,スピンホール金属において生じたカイラル超伝導状態では一般的に電流とスピン流が共存することを解析的に示すことを達成することができた。一方で,境界の形状により表面局所磁化が生じる条件をいまだ明らかにすることができていない。こちらに関してさらなる考察を続けていく。
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今後の研究の推進方策 |
境界の形状により表面局所磁化が発生する条件を,境界形状の対称性などをベースとした考察をすすめることによって明らかにしていく。
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