研究課題/領域番号 |
20K03831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 岳生 東京大学, 物性研究所, 准教授 (80332956)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピン軌道相互作用 / スピンポンピング / カーボンナノチューブ / マグノン / 磁気回転効果 / グラフェン / ゆらぎの定理 / 量子ドット / 磁気抵抗 / オンサーガー関係式 / マグノン輸送 / 磁気トンネル接合 / 反強磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
現象論を超えたスピン流の生成・検出の微視的理論を構築し、新規デバイス設計や新しいスピン輸 送現象の発見を目指す。非平衡グリーン関数の手法を用いて磁気励起の非平衡分布関数を理論的に導出し、実験状況に即して様々な近似計算手法を採用することで、現象論では取り扱うことのできない界面近傍のスピン状態を明らかにする。この知見を基にしてスピン輸送の生成・検出・変換 に関わる諸現象の解析を行い、実験との比較を通して、物質科学的な視点によるデバイス設計指針の提案、および、スピン輸送に関わる新しい物理現象の提案や磁気励起分光手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
現象論を超えたスピン流の生成・検出の微視的理論を構築し、新しいスピン輸送現象の発見を目指す研究を行った。多様な物質に対するスピン注入の微視的理論を構築し、共鳴線幅の変化から隣接する物質のスピン励起に関する有益な情報が得られることを示した。また、スピンホール磁気抵抗の微視的理論を構築し、これまで未解明であった温度依存性を得ることに成功した。並行して、電子輸送と磁気回転結合を利用した新しいナノローターの提案も行った。以上の理論基盤を利用して、様々な輸送特性の理論展開を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強磁性共鳴を利用したスピンポンピング測定がスピン励起のスペクトロスコピー法として有望であるを様々な例を通して示し、今後新しい手法として発展する基盤を構築した。磁性体のスピン状態の読み出し法として注目を集めるスピンホール磁気抵抗であるが、磁気抵抗が何をみているのかを明らかにし、今後のデバイス設計の指針を与えることに成功した。さらにナノローターの提案など、新しい磁気回転効果の応用例も明らかにし、応用の幅を広げることにも貢献した。
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