研究課題/領域番号 |
20K03840
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 大阪大学 (2022) 東京理科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
杉本 貴則 大阪大学, 量子情報・量子生命研究センター, 特任准教授(常勤) (70735662)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 量子スピン / クラスタ / 量子機能性 / 分数化 / トポロジカル状態 / 量子スピン系 / クラスタ結合系 / トポロジー / 磁化プラトー / ホールデン状態 / スピン・クラスタ |
研究開始時の研究の概要 |
スピン液体やトポロジカル秩序など,量子スピン系が示す特異な量子多体状態は,今後さらなる発展を見せると期待できる.本研究では,量子スピン・クラスタが弱く結合した系(クラスタ単位スピン系と呼ぶ)を対象にして,応用上も有用な新奇量子機能性の探索と,安定的な機能性発現の必要条件を明らかにすることを目的にする.クラスタが有する自由度を予め設計・操作することで,既知の量子機能性の応用学的向上を図れるだけでなく,全く新しい量子機能性発現にも迫ることができる.本研究では,大規模並列計算とこれまでの理論研究を組み合わせた解析を行うとともに,実験研究者との議論を通し,実現可能な量子機能性について考察する.
|
研究成果の概要 |
本研究課題は,(1)スピン・クラスタを単位として構成される量子スピン系を用いて新たな量子機能性を探索し,(2)その機能性発現に最適な量子系を提案することを目的にした.この目的を達成するため,まず,測定型量子計算の候補状態と挙げられるホールデン状態がクラスタ単位量子スピン系で発現する条件を理論的に整理した.この結果,系の端状態や磁化に対する新たな(準)分数化機構を発見した.この機構を用いることで,より精細な量子センシング技術の開発が期待される.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,スピン・クラスタにより構成される系を対象にして,次世代ICT技術の核心をなすと期待される量子機能性の新しい候補を探索し,その発現条件の考察を行った.その結果,これまで知られていた量子多体現象であっても,構成の基本要素となる自由度を置き換えることで,異なった形の量子機能性として発現しうることがわかった.このアイデアは,今回の研究対象に限らず,多くの量子多体現象により普遍的に適用できるものであるため,本研究課題で得られた結果は,今後の次世代ICT技術の発展に大きく寄与できるものであると考えられる.
|