研究課題/領域番号 |
20K03865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小原 顕 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 講師 (50347481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 超流動 / 吸込渦 / 量子渦 / 循環 / 量子乱流 / 渦 / 流速測定 / 超音波流速計 / パルス管冷凍機 / 流体力学 / 低温技術 |
研究開始時の研究の概要 |
吸込渦は風呂桶や竜巻などに代表される吸い込みを伴う回転流である.驚くべきことに,身近な流れであるにもかかわらず,渦の中心付近の流れと,渦の形成過程はあまり明らかになっていない.その理由は,渦の性質を決める物理量である「渦度」が観測できないからである.本研究では,超流動ヘリウムを用いて研究を行う:超流動ヘリウムには渦度を担う量子渦糸が実在し,また.超流動特有の波である第2音波(温度の波)を利用すれば量子渦糸の空間的配置がわかるからである.超流動の吸込渦の構造と形成過程を理解することで,将来的には一般的な流体における回転流の形成原理の解明につなげたい.
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研究成果の概要 |
超流動He中で吸込渦の観測を行った.超流動吸込渦の渦芯を横切る経路の第2音波共鳴によって量子渦密度を測定し,同時に,渦芯を通らない経路で超音波流速測定を行い,水平方向の循環を直接測定した.2つの測定の結果,吸込渦中の量子渦はほぼ水平かつ渦芯に巻き付くような形状で存在していることを明らかにした.この成果は超流動に限らず,一般の液体の吸込渦としても,渦度の構造を明らかにした初めての研究である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流体力学は数々の流体現象を明らかにしてきたが,吸込渦という鉛直流と水平回転流が共存している流れについては多くのことは知られていなかった.その理由は,中心付近の流れが極端に強くなるため,風洞実験・可視化実験のようなテクニックが使えなかったからである.この研究では超流動特有の音波(第2音波および超音波)と,超流動特有の循環の量子化条件を用いることで,もっとも身近な渦の一つの内部の流れの構造を明らかにした.
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