研究課題/領域番号 |
20K03871
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 勝彦 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (90513622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 細胞の集団運動 / 細胞クラスター移動 / 方向依存的な界面張力 / 細胞表面の一方向流れ / 力学モデル / vertex model / 細胞クラスターの移動 / 3次元空間内での細胞移動 / 力学数理モデル / 収縮力 / 接着力 / 粒子モデル / 方向依存性張力 / 極性 / クラスター / 数理モデル / 細胞間収縮力 / 集団運動 / 形態形成 |
研究開始時の研究の概要 |
多細胞生物は一つの受精卵からスタートし、細胞分裂を何度も繰り返し、最終的にその形を作り上げる(形態形成)。その形づくりの際に細胞は隣との細胞の接着(クラスター)を保ちながら集団で移動するが、その運動のメカニズムはいまだわかっていない。この問題に物理の力学の視点から挑戦する。3次元空間内で細胞が隣との接着を保ったまま移動するにはどのような条件が必要か、またどのようなメカニズムが可能かを理論と実験の両方の視点から調べる。
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研究成果の概要 |
細胞の協調的な運動(細胞の集団運動)は多細胞生物の体形成(形態形成)、傷の治癒、病気の転移などで見られる現象であり、そのメカニズムを知ることは自然科学的にも医学的にも重要である。本研究では、細胞が他の組織などに囲まれた3次元空間内を、細胞同士が接着してクラスターを形成したまま動くメカニズムの一つを、力学の視点から解き明かした。細胞に細胞の極性からくる収縮力や接着力などの場所依存性を導入すると、細胞表面は細胞の前方から後方へ一方向に流れを作る。この流れによって細胞は単体のみならずクラスターを形成したまま一方向に移動できることが示された。細胞クラスター移動を説明しうる大きな発見となっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の集団運動は多細胞生物の体形成(形態形成)、傷の治癒、病気の転移などで見られる現象であり、そのメカニズムを知ることは自然科学的に重要であるだけでなく、医学的にも重要な課題である。細胞は生体内で組織で囲まれた3次元空間内を複数の細胞が隣の細胞と接着してクラスターを形成したまま移動することができるが、何故、どのように、細胞は隣の細胞と接着したまま移動できるかはこれまで大きな謎であった。本研究では細胞がクラスターを形成したまま移動できる仕組みを力学の視点から提供した。そのメカニズムは現実の世界で観測される多くの複雑な細胞運動の仕組みを解き明かす可能性を持っている。
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