研究課題/領域番号 |
20K03878
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
平井 光博 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00189820)
|
研究分担者 |
中川 洋 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (20379598)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 極限環境耐性 / クリプトビオシス / 糖 / ガラス転移 / 蛋白質 / 食品科学 / 放射光X線散乱 / 中性子散乱 / 食品保存 / トレハロース / 水和 / ガラス / 動力学転移 / 中性子散 / 極限環境 / 分子混雑 / 糖ガラス / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,糖ガラス包埋タンパク質の構造とダイナミックスの物性特性を実験・理論の 両面から明らかにする。「糖のガラス化」と「環境耐性」の関係を直接観測・解析し,分子レベルで解明した例は今までにない。そのための研究手法として,中性子逆コントラストマッチング法を用いた中性子弾性・非弾性・準弾性散乱測定を中心として研究を推進し,糖の濃厚溶液状態,ラバー状態,ガラス状態の構造物性と,それらの各状態下のタンパク質の構造とダイナミックス(分子内の拡散的な運動状態,低エネルギー励起)をそれぞれ分別して観測,解析を行う。
|
研究成果の概要 |
生物の極限環境耐性や細胞やリポソーム製剤の低温保存,食品の品質管理や長期保存には,水に代わって生体成分や細胞膜などを保護する「適合溶質」として糖の役割の理解が重要である。本研究は,放射光X線と中性子線の相補利用により,濃厚糖溶液や糖ガラス・ラバーに包埋されたタンパク質の特性(立体構造,内部構造,水和状態)を世界で初めて直接観測・解析した。その結果,5 ~ 65%w/wの糖溶液中ではタンパク質の構造と水和シェルはほぼ保存される一方,含水率15%w/w以下の非流動状態(ラバー&ガラス状態)の糖中では,水和シェルが糖に置換し,よりコンパクトな構造が安定化することが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
得られた成果は,乾燥や低温などの極端環境に対する動物の糖の含蓄による耐性機構の理解に留まらず,細胞やリポソーム製剤の新たな保存法の開発や,糖のガラス/ラバー状態を利用した食品の品質管理や長期保存法の創生へ繋がる。
|