研究課題/領域番号 |
20K03882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中西 秀 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (90155771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | パッキング / クランプリング / フラクタル構造 / ランダムウォーク / 折りたたみ |
研究開始時の研究の概要 |
パッキング問題の一つの例として、平らな紙が無作為に丸められて押しつぶされたときに取る構造を解析する。具体的には、無造作に丸めて押しつぶされた紙をマイクロCTにかけて内部構造の3次元データを取得し、それを画像解析して3次元構造を抽出する。その結果を、統計物理で用いられてきた概念や手法でモデル化し、丸めた紙の3次元構造の特徴を明らかにする。
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研究実績の概要 |
紙のクランプリングについて、その構造のマイクロCTのデータから、質量分布のフラクタル次元や、紙の上に引いた直線のクランプル後の構造について、データを得ていた。その構造を理解するために、簡単なモデルを構成して、計算機シミュレーションを行った。 折り曲げに対して塑性変形をする紙のクランプリングのモデルとして、2次元三角格子上にプラケット折りたたみモデルを考えた。すなわち、各辺を共有する三角形のプラケットからなるシートを考え、それが折りたたまれる。折りたたみに際して、辺の長さ、2面角、および三角形のプラケットの面積の変化を許すが、それぞれエネルギーコストを導入する。紙の塑性を、飽和する非線形性を2面角エネルギーに導入することにより、取り入れた。クランプリングの過程は、全体を球殻に閉じ込めて、球の半径を徐々に小さくすることによってモデル化した。 計算機シミュレーションはモンテカルロ法を用い、javascriptの3次元可視化ツールでリアルタイムにアニメーションを観察できるようにして、モデルの振る舞いを観察しつつ計算機シミュレーションを行った。その結果、一辺の長さLがL<10程度の小さな系では紙のクランプリングと類似の現象を再現できたが、L>30の系ではクランプリングのプロセスが外部ポテンシャルの影響が及ぶ周辺部に限られ、通常の紙のクランプリングとはかなり異なる振る舞いを観察した。その原因は、クランプリングを起こす外部ポテンシャルの変化速度に対して、シートの中を伝わるストレスは遥かに速く伝播するが、それをモンテカルロ・シミュレーションで実現するのが難しいことと推定した。 現在、このように速さの異なる2つのプロセスが関わる現象の効率的なシミュレーション方法を検討中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響を受けたことと、定年退職したために現役のときの研究環境がなく、研究の進捗が全体として遅くなったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発した2次元プラケットモデルを用いて、クランプリング過程をシミュレーションするために、速いプロセスとゆっくりしたプロセスが同時に存在する現象の計算機シミュレーションについて、検討する。
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