研究課題/領域番号 |
20K03883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 横浜市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森次 圭 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80599506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | タンパク質 / ダイナミクス / 分子動力学シミュレーション / マルコフ状態モデル / 重み付きアンサンブル法 / シニョリン / Pin1 / SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ / ランジュバンモデル / SARS CoV-2 3CLプロテアーゼ / 薬剤結合 / アクチン / マルコフモデル / 機械学習 / リボース結合タンパク質 / 非マルコフ |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の分子機能に関わる折れ畳みや構造変化の時定数を正確に計算するには、ダイナミクスに内在する非マルコフ的な「履歴」が鍵となる。本研究では、タンパク質ダイナミクスの非マルコフ性を定量化し、その構造起因を解明することを目指す。そのため、非マルコフ的に構造変化するパスを重み付きアンサンブル法といった効率的な分子動力学シミュレーション手法により生成し、状態を定義した上で構造に履歴ラベルを付加、更に、遷移構造におけるラベルの違いを有意に説明する構造的特徴量を機械学習の手法により抽出する、という包括的方法論を構築する。
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研究成果の概要 |
生体分子ダイナミクスの記述としてマルコフ状態モデルがよく適用されるが、そのような複雑な系でマルコフ性の仮定が担保されるのかは疑問である。本研究では、ダイナミクスに内在する非マルコフ性を定量化しその構造起因を解明することを目的とした。そのため、モデル系としてシニョリンを取り上げ、履歴付きマルコフモデルやランジュバンモデルといった運動モデルを構築し、包括的な考察を行った。更に、非マルコフ的な構造変化パスの生成する重み付きアンサンブル法の生体分子への適用を進め、プロリン異性化酵素Pin1による基質ペプチドの異性化やプロテアーゼへの基質の結合・解離シミュレーションといった応用研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質やDNAといった生体分子の運動は極めて複雑であるが、そのなかで例えば構造変化しシグナルを下流に伝えるといった分子機能を細胞内で発現する。つまり、立体構造情報に基づいて物理・化学的に合理的な原子レベルのモデルによって得られる機能発現過程の全体像から、認識の特異性決定因子の同定、アミノ酸変異の影響の理解などといった、それぞれの系の課題である薬剤設計、疾病の理解につながる情報を提供することができる。本研究では、そのようなダイナミクスの理解に直結する運動モデルの構築、更に、それを計算機上で再現する新規シミュレーション手法の開発に取り組んだ。
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