研究課題/領域番号 |
20K03885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 九州大学 (2023) 慶應義塾大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
渡邉 宙志 九州大学, 理学研究院, 准教授 (20767199)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 水素イオン / プロトン輸送 / 分子動力学 / 量子化学計算 / 溶媒和効果 / QM/MM法 / 量子コンピューティング / 自由エネルギー / 分子動力学計算 / 分子シミュレーション / 凝縮系 |
研究開始時の研究の概要 |
自由エネルギーは生体分子系の確率過程の中から本質的なエッセンスを抽出し理解するための共通言語である。分子シミュレーションにおいて精度良く簡便に自由エネルギーを算出するためには、統計的な精度と分子モデル精度をバランス良く担保する必要がある。これまでに数多くの統計的精度を向上させる手法が開発されてきた。一方で、従来の分子シミュレーションは溶媒の量子化学効果を取り込めず分子モデルの精度に問題があった。本研究では同効果を取り込んだ自由エネルギー計算法を開発し、その重要性を検証すると同時に、算出が難しかった様々な物理化学量を算出可能にすることを目指す。
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研究実績の概要 |
水素イオンは化学/分子生物学/工学など幅広い分野において、重要な役割を果たしている。その重要性にもかかわらず分子シミュレーションにおいては、取り扱いが最も難しい計算対象である。その理由は、水素イオンが結合の生成消滅を繰り返しながら輸送されている、つまり電子状態を考慮した量子力学的分子モデルが必要な点にある。一方で水溶液の様な巨大なシステムを取り扱うためには、計算コストの観点から通常の量子力学モデルが適用できないために、古典と量子のハイブリット分子モデルQM/MM法を適用する必要がある。しかしプロトン移動はGrotthuss メカニズムで示唆されるように輸送される分子が同一ではないために、シミュレーションの初期に分子毎に適用する分子モデルを決める従来のシミュレーション手法では取り扱うことができなかった。そこでこれまでの取り組みにより我々はシミュレーション途中でon-the-flyで分子モデルがなめらかに切り替わるMD手法, full adaptive QM/MM法を提唱し、ダイナミクスをバルク中で再現することに成功した。 しかしながら、提唱した手法は安定化を図るためにパラメータを導入しており、対象システム毎に調整等を必要があり利用が難しかった。また量子と古典モデルの境界領域におけるアーティファクトを無視できなかった。そこで本年度は重み関数と拘束条件を工夫することで安定化と精度の向上を図った。その結果、シミュレーションが安定化し自由エネルギー計算に求められる長時間の高精度のサンプリングが可能となった。現在はテストデータをまとめて論文を執筆している。
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