研究課題/領域番号 |
20K03888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 芳治 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主幹研究員 (90236026)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水 / ポリアモルフィズム / ポリオール水溶液 / トレハロース水溶液 / 液体―液体転移 / ポリアモルフィック転移 / 高圧液体冷却ガラス化法 / 液体-液体転移 / 水溶液 / アモルファス氷 / ポリオール / トレハロース / ガラスー液体転移 / ガラス / Cubic ice / 偏析 / 核形成 / 液液転移 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞の凍結保存技術で、水の結晶化による細胞への損傷は大きな課題である。その解決法として、凍結保護材添加による水のガラス化があるが、添加物質と水のガラス状態との関係は明らかではない。 本研究は、多種多様な低濃度水溶液を高圧下で冷却することで均一にガラス化し、低濃度水溶液ガラスのポリアモルフィック転移の溶質依存性を調べ、水のポリアモルフィズムの観点から、溶質が溶媒水のガラス状態へ及ぼす影響を明らかにする。そして、水溶液ガラスの諸現象(安定性、核形成、水和、偏析、ガラス転移など)と水のポリアモルフィズムとの関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、溶質が均一に分散した低濃度水溶液ガラスの作成法を確立し、低濃度水溶液ガラスの低温・高圧下での状態変化、(例えばポリアモルフィック転移、ガラスー液体転移、結晶成長過程など)を調べ、溶質が水のガラス状態や結晶状態に与える影響を明らかにした。本研究の主な成果は、トレハロース水溶液の圧力変化による可逆な液体―液体転移を実験的に初めて観察し、水の液液臨界点仮説の正当性を示したことである。また、溶質が立方晶氷の結晶成長を阻害していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水溶液を用いたポリアモルフィック転移と液液転移に関する本研究は、その存在が疑問視されていた「2つの水の存在(水のポリアモルフィズム)」が水溶液の物性や構造に深く関係していること示している。本成果は、溶液化学や生化学などの水に関係する全ての研究分野に「水のポリアモルフィズム」という新しい研究指針を与えている点で、学術的な意義が大きい。
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