研究課題/領域番号 |
20K03894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 正和 九州大学, 理学研究院, 准教授 (70446607)
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研究分担者 |
蔡 東生 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70202075)
田中 高史 九州大学, 国際宇宙惑星環境研究センター, 博士研究員 (70346766)
藤田 茂 統計数理研究所, モデリング研究系, 特任教授 (70500693)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 磁場トポロジー / 磁気流体シミュレーション / 地球磁気圏 / 磁気リコネクション / 磁気流体 |
研究開始時の研究の概要 |
磁力線のつなぎ換えを磁気リコネクションと呼ぶ。交換型リコネクションとは、磁力線が属するトポロジー(磁場位相)領域がリコネクション前後で入れ替わるものを言う。トポロジーを不変に保つ交換型リコネクションが存在し得るかどうか明らかにすることが本研究の目的である。現実的なセパラトリクス(トポロジー領域の境界面)形状を知るため、まず地球磁気圏を模擬する磁気流体コードを用いて定常解を作る。続いてセパラトリクスを追跡する新手法を導入してトポロジーを解析する。最後に現実的セパラトリクス形状のもとで磁力線の「運動」を初等関数で与える数学モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
交換型リコネクションとは、その前後で磁力線の属する領域が入れ替わるものをいう。結果として各領域の磁束は変化しないが、磁力線のつながり方や形状は変化する。本研究は交換型リコネクションの3次元構造(磁力線形状とトポロジー)を明らかにした。磁気零点(磁場が0となる点)からは2次元境界面(fan)と1次元境界線(spine)が出ている。交換型リコネクションでは、fan上に拡散領域が現われて、fanの両面に隣接する磁力線が入れ替わる。拡散がないとした場合、磁力線はspineを軸としてfan上で反転する。交換型リコネクションのトポロジーは"fan reconnection"と呼ばれているものと同相である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義の第一は、交換型という、2領域の磁力線しか関与しない特殊なリコネクションが実在することを示したことである。通常想定するリコネクションでは、2領域の磁力線から別の2領域の磁力線に変わる(4領域の磁力線が関与)。意義の第二は、平行磁場の入れ替わりという、3次元リコネクションの本質を具体的に示したことである。一般に磁気リコネクションというと、反平行磁場が一旦切れ、パートナーを変えて再び繋ぎ替わるという2次元描像が流布しているが、これは大きな誤りである。3次元のリコネクションでは、拡散領域内で必ず平行磁場が存在する。平行磁場がアイデンティティを失って入れ替わることがリコネクションである。
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