研究課題/領域番号 |
20K03898
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
岸本 牧 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 上席研究員 (40360432)
|
研究分担者 |
難波 愼一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (00343294)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 水の窓軟X線 / レーザープラズマ / レーザープラズマ軟X線源 / オージェ電子 / X線波長変換 / 輻射流体シミュレーション / 雰囲気ガス |
研究開始時の研究の概要 |
コンパクトで汎用性のある水の窓軟X線源顕微鏡の実現には、X線光源の小型化が必須である。本研究では、低圧窒素ガス雰囲気下で金(Au)ターゲットをレーザー照射すると水の窓軟X線発生量が劇的に増加する現象を用いた全く新しい高輝度レーザープラズマ軟X線源の開発を行う。そのためにターゲットレーザー照射の最適条件の探索と雰囲気ガスの導入方法の工夫によるガス分子のX線吸収の低減を行い、実用的な高輝度軟X線源の実現を目指す。さらにレーザープラズマと雰囲気ガスによる相互作用を実験的・理論的に詳細に調べ、雰囲気ガス中での軟X線増強現象の他波長X線(例えば13 nmなどのX線リソグラフィ用光源)への応用可能を探る。
|
研究実績の概要 |
コンパクトで汎用性のある水の窓軟X線顕微鏡実現のための高効率・高輝度レーザープラズマ軟X線源を実現するためには、実験やシミュレーション計算を通じて最適なレーザー照射条件を探索することが必要である。しかしながら実験結果の解析やシミュレーション結果との比較検討のためには、ターゲットのレーザー照射条件の安定性は非常に重要となる。 昨年度までのレーザープラズマ軟X線発生実験では、ポンプ用YAGレーザーを任意のタイミングで1パルスだけ発振させるシングルショットモードで動作させていたが、この発振モードではレーザーのSeeder装置が動作しないためショット毎のパルスエネルギーの大きな変動やビームプロファイルの劣化が生じて実験計測結果とシミュレーション計算との比較検討において困難をもたらしていた。 そこでseederモード、10Hz駆動の安定出力発振状態でYAGレーザーを発振させ、その安定レーザーパルス列の中の任意のタイミングの1パルスのみを選択的に取り出す事の出来る高速レーザーパルス切り出し装置を製作した。これにより今までの実験で問題となったターゲット照射エネルギーのショット毎の大きな変動がなくなり、ターゲット照射条件が安定化したことによってシミュレーション計算結果との正確な比較検討が可能となった。 また正確な比較検討が可能になったことによりシミュレーションコードの高度化がなされ、軟X線発生を最大化させるレーザー照射条件のシミュレーションからの探索や、さらには水の窓波長域以外の軟X線でもレーザープラズマからの軟X線発生量の増強が可能かどうかを理論的に検証することが可能となった。
|