研究課題/領域番号 |
20K03902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
薮内 敦 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (90551367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 陽電子寿命 / 消滅ガンマ線ドップラー広がり / 電子運動量分布 / 第一原理計算 / 原子空孔 / 欠陥複合体 / 陽電子消滅 / 電子運動量 |
研究開始時の研究の概要 |
タングステン結晶中の原子空孔(原子の抜けた孔)では、多くの研究において理論計算で予想されている陽電子寿命値に比べ20-30 ps程度短い実験値が報告されている。これは実験で観察している原子空孔には不純物ガス元素が結合していることを示唆している。本研究では陽電子捕獲サイトの空隙サイズを反映する陽電子寿命法に加え、陽電子捕獲サイト周囲の元素の違いを反映する消滅ガンマ線ドップラー広がり法を用いる。ドップラー広がりスペクトルの実験値と計算値を比較することで欠陥構造を同定し、タングステン結晶中の原子空孔で見られる陽電子寿命の実験値と計算値とのズレの原因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
タングステン中の原子空孔に複数個の侵入型不純物原子(X=H,C,N,O)が結合した欠陥複合体(VXk)の陽電子寿命の変化を第一原理計算を用いて調べたところ、VH2、VC1、VN1、VO1複合体いずれもが約170 psの陽電子寿命を示すことがわかった。そこで各種欠陥複合体における消滅ガンマ線ドップラー広がりスペクトルについても計算したところ、いずれの欠陥複合体のスペクトルでも電子運動量16 mrad付近に肩が現れ、欠陥種を区別することは困難であることが示された。これらの欠陥複合体の種類を同定するためには欠陥複合体のアニール挙動観察と、空孔-不純物原子間の結合エネルギー計算の併用が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核融合炉のプラズマ対向壁材料として期待されているタングステン中の原子空孔と侵入型不純物原子との相互作用、および不純物原子の空孔への結合が陽電子寿命や陽電子消滅ガンマ線ドップラー広がりに与える影響について第一原理計算を用いて調べた。タングステン中のそのような欠陥の種類を同定するためには欠陥のアニール挙動観察と不純物原子の空孔への結合エネルギー計算の併用が必要であることが示された。
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