研究課題/領域番号 |
20K03917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川上 烈生 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (30314842)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 熱アシスト大気圧酸素プラズマ / アナターゼ結晶型酸化チタン / ルチル結晶型酸化チタン / 光触媒ナノ粒子 / 光分解/光殺菌 / 酸素空孔 / 吸着酸素 / 電荷分離 / 白金ドープルチル結晶型酸化チタン / アナターゼ結晶型型酸化チタン / 光分解 / 白色LED / 非接触殺菌力 / 過酸化水素 / アナターゼ/ルチル混晶型酸化チタン / 分解/殺菌性 / 紫外線LED照射 / 可視光LED照射 / 酸素関連基吸着 / アナターゼ型酸化チタン / 光触媒活性 / プラズモン励起電子移動 / アナターゼ型酸化チタンナノ粒子 / 熱アシスト大気圧酸素プラズマ処理 / 酸素空孔欠陥 / 表面格子酸素欠損 / 表面吸着酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
アナターゼ型酸化チタンナノ粒子は環境浄化材だけでなく再生可能エネルギー材として期待されているが,光励起された電子と正孔の再結合率が高いため光触媒反応性が高くない.我々が提案する熱アシスト大気圧酸素プラズマ処理法は電気炉処理法に比べ光触媒反応性を向上させることを見出したが,その機構は明らかにされていない.本研究では熱アシスト大気圧酸素プラズマ処理はアナターゼ型酸化チタンナノ粒子物性に何をもたらし光励起キャリア密度を増加させるのか,再結合率の低下に関係するキャリア捕獲サイトと光吸収量増加の観点から明らかにする.特に,酸素空孔欠陥,表面格子酸素欠損,表面吸着酸素の振舞いに着目する点が独創的である.
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研究成果の概要 |
酸化チタンナノ粒子は環境浄化材だけでなく再生可能エネルギー材として期待されているが,光励起キャリアの再結合率が高いため光触媒反応性が高くない.我々が提案する熱アシスト大気圧酸素プラズマ処理法は,結晶性に関わらずに,電気炉処理法に比べ紫外光および可視光照射下での光触媒反応性を向上させることを明らかにした.また,光励起電気導電率,X線やフォトルミネッセンス分析から,その光触媒反応性増強機構も明らかにした.主要因は,導入された多くの酸素空孔と吸着酸素により促進される表面でのバンド構造変化,つまりupward band bendingによる電荷分離効果であることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が提案する熱アシスト大気圧酸素プラズマ処理法は,結晶性に関わらずに,世界的に知られている電気炉法よりも酸化チタンナノ粒子の紫外光および可視光照射下での光触媒反応性を向上させる今までにない新しい知見である.特にその向上機構において,熱と大気圧酸素プラズマとの相乗効果により導入された多くの酸素空孔と吸着酸素がバンド構造変化に関わり光励起キャリア密度が増加する点が学術的に興味深い.また,高価な真空機器を使わず,熱アシスト大気圧酸素プラズマを生成するため,脱炭素化の観点からも優位性の高い光触媒活性化技術であり,社会的課題である環境保全技術や再生可能エネルギー技術の発展に貢献すると考える.
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