研究課題/領域番号 |
20K03919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
作道 章一 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (10397672)
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研究分担者 |
三沢 達也 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (70346873)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | プリオン / プラズマ / プラズマ活性水 / 活性種 / 酸化ストレス / 滅菌 / 殺菌 / 不活化 / プラズマ活性溶液 / アポトーシス / 細胞死 / 活性酸素 / PAM / 治療 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病原体は現代医療では治療不可能な神経変性疾患「プリオン病」を引き起こす。本研究では、プラズマ活性溶液がプリオン感染神経細胞に対して選択的に細胞死を誘導できるかを明らかにするとともに、プラズマ活性溶液がプリオン感染神経細胞に誘導する細胞死の分子機構を解明する。プリオン感染細胞がどのようにして除去されていくのかが明らかになることで、治療応用への展開が期待できる。
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研究実績の概要 |
2021年度(令和3年度)から2022年度(令和4年度)にかけて、さまざまな気体由来のプラズマで調整したプラズマ活性溶液のプリオン感染細胞に対する細胞死誘導効果について解析した。LDH(乳酸脱水素酵素)放出アッセイで死細胞の割合を比較したところ、 N2 >CO2 >O2 >Ar >Airの順番でプリオン感染細胞(ScN2a)と非感染細胞 (N2a)の死細胞の割合の差が大きかった。さらに、ELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)を用いたモノおよびオリゴヌクレオソーム定量によるアポトーシス(Apoptosis)の解析を同様に行ったところ、N2 >O2 >CO2 >Air >Arの順番でアポトーシス量の差が大きかった。これらのことから、由来する気体によりプラズマ活性溶液に含まれる活性種が異なることでApoptosisなどの細胞死を引き起こす効果に違いが見られたものと考えられた。 このため、2023年度(令和5年度)は活性種を消去するラジカルスカベンジャーを空気由来のプラズマ活性溶液に対して用いて、ScN2aとN2aの細胞死への活性種の影響の解析を行った。活性種の消去剤として、・OHに対してはDMSO、ONOO-に対してはUric acid、・NOに対してはCarboxy-PTIO、H2O2に対してはCatalase、・O2-に対してはSODを用いた。その結果、消去剤を加えていないコントロールと比べて、N2aでは・O2-を消去時に細胞傷害性が有意に低下しており 、一方ScN2aではONOO-と・O2-を消去時に細胞傷害性が有意に低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているが、研究進展に伴い、新たな行うべき解析項目が増えている。
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今後の研究の推進方策 |
スカベンジャーを用いた活性種の除去効果の影響を様々な気体で詳細に解析を行う計画である。
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