研究課題/領域番号 |
20K03942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村山 斉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (20222341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 素粒子 / 原子核 / 宇宙線 / 反物質 / 暗黒物質 / 重力波 / 非対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
重力波を用いて、未解明な宇宙初期に起こった物質の起源の仕組みを探る方法を研究する。ひとつは、原子のような物質が反物質とのずれ(物質・反物質非対称性)がないと今の宇宙に残れない仕組み。もうひとつは、宇宙の星や銀河の構造に重要な役割を果たした暗黒物質の仕組み。物質・反物質非対称性と暗黒物質の生成過程で、第一次相転移があった可能性、トポロジカル欠陥が生まれる可能性は高い。その場合、重力波が役に立つ。特にトポロジカル欠陥が宇宙ひもであった場合は、スケール不変なふるまいをするために、かなり宇宙初期の現象が観測可能な周波数帯に入ってくる。この提案では具体的な理論とその重力波での検証可能性を主に研究する。
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研究成果の概要 |
宇宙の始まりでは物質と反物質が同数できたが、なぜか10億分の1のズレが生まれ、10億の物質と反物質は全て出会って消滅し、ズレの部分だけが残って星や我々の体を作っている。このズレができた仕組みは、我々の存在に関わる現代宇宙論の最大の謎である。今まで提唱された有力な理論ではビッグバン直後の極高温度で起きたと考えられていて、直接実験では検証できない。村山は2015年に発見された重力波を使うとビッグバン直後の宇宙を「観る」ことができ、理論の検証ができる可能性を提案した。一方もっと低い温度で物質と反物質ズレを説明する理論では物質・反物質のズレと暗黒物質が関係する可能性があり、具体的な理論を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はなぜ存在するのか、は哲学・神学から現代物理学にまたがる人類共通の問いである。この問いを自然科学の対象にするためには、具体的な理論と、それを検証する実験的な手法の両方が必要である。本研究では、まず宇宙初期に同数できた物質と反物質にズレをつくり、我々を完全消滅から救ってくれた仕組みに注目した。一般にビッグバン直後のことを直接実験的に検証するのは難しいが、重力波を用いて理論を検証する可能性があることを指摘し、定量的にその信号を予言した。一方暗黒物質も星や銀河を作った主役として私たちの存在に欠かせない存在だが、両方が関係する可能性がある。具体的な理論を提案し、重力波での検証の可能性を指摘した。
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