研究課題/領域番号 |
20K03949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 興一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80363323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 素粒子論 |
研究開始時の研究の概要 |
現在までにニュートリノは世代の間に混合をもつことが明らかになった。これは、自然界における未知の力学の存在を意味する。とくに要となるのが、右手型ニュートリノの質量に関わるスカラーであり、本研究ではニュートリノ物理の探究において重要な役割を果たすことを示す。物質の世代構造や宇宙の暗黒物質とつながりを持つため、生み出されるさまざまな現象を結びつけることで、ニュートリノ物理の検証を多角的に行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はニュートリノの性質を通じて世代の謎をはじめとした標準理論の謎に迫ることである。そのためニュートリノに関わるようなスカラー場の力学を中心として、これまでに捉えられていなかった側面から多角的に追究する。課題となるスカラー場は、宇宙論的帰結から位相や世代構造などを通じてさまざまな現象を生み出すため、多様なエネルギースケールや検出方法を用いて集約した検証が行えることは大きな利点である。以下、今年度の各実績内容を述べる。まず前年度に引き続き、右手型ニュートリノに質量を与えるスカラー場に起源をもつ擬南部ゴールドストーン粒子が、右手型ニュートリノと世代を変える結合をもつ場合においてその効果を考察した。とくに擬南部ゴールドストーン粒子を含む崩壊過程による宇宙のバリオン数生成を議論した。現在はこの軽い擬南部ゴールドストーン粒子の宇宙論的・天体現象的な検証可能性を追究している。また、マヨロンやアクシオンなどの擬南部ゴールドストーンの生成・検証はひも状ソリトンとの関連が重要である。とくにひもが超伝導電流をもつような場合について、電流の量子論的な安定性を詳細に解析し、超伝導ひも状ソリトンが我々の宇宙に現存しうるかどうかを多面的に検証した。さらに別の観点から、標準理論には含まれない一重項実スカラーがヒッグス場と混合する状況を考察した。実スカラー場が軽い場合には恒星中においてさまざまな過程により生成されうるため、冷却過程から質量や結合への制限を評価できる。その結果、従来得られていた制限は結合定数についてかなり過大評価していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの中心課題であった宇宙のバリオン数生成とはまた別の観点から、宇宙論的および現在の天体現象的な物理とスカラー場の関わりに取り組んだ。三位一体性から多角的に解明を目指す課題としてさらなる進展が得られていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終的な目標であるニュートリノ力学に関わるスカラー場の性質を明らかにしてゆくために、地上実験的および天体現象的な側面との関わりに取り組んでゆく。暗黒物質としての探索実験や、稀過程を生み出す粒子としてのニュートリノや加速器的な実験の結果と照らし合わせることが重要と考えている。
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