研究課題/領域番号 |
20K03953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大川 博督 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (40633285)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 相対論的回転星 / 非線形連立方程式 / 星の進化 / ラグランジュ的定式化 / 星の進化計算 / 非線形連立方程式の解法 / 一般相対論 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、超新星爆発や連星合体で誕生する自転を持つ中性子星の進化を精確に追い、重力波やニュートリノなど観測可能なシグナルから中性子星内部の物理を明らかにすることである。 星の進化のタイムスケールは長く、その目的として微視的な物理や磁場、対流などを取り入れた数値シミュレーションを用いることは現実的でない。一方これは各時刻において系を平衡形状として扱い、準静的進化として発展が追えることを意味する。従来の回転星の平衡形状構築方法に対し本研究では、質量や角運動量などのマクロな物理量を固定し、組成の変化などミクロな過程を考慮する進化計算に適した手法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究により、星の進化に適した形で一般相対論的に回転している星の構造を求めることができるようになった。星の構造解析とは、非線形偏微分方程式を数値的に解くことであり、それは非線形連立方程式を解く問題に帰着される。非線形連立方程式の解法はこれまでニュートン・ラフソン法がほとんど唯一であったが、この手法を使うにはあらかじめ答えに近い解を用意する必要があった。本研究の成果の1つであるW4法によって、ニュートン・ラフソン法で収束しない近似解でも答えを見つけることができることを示した。W4法を用いて星の構造を計算し、星の進化を解析することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず本研究成果により、これまでのような角運動量や状態方程式への仮定なしでは追うことが不可能と思われてきた回転星の進化が計算できるようになった。50年ほどの相対論的回転星構築の歴史に新たな一歩を示すことができたと考えている。また、本研究は一般相対論的か否かによらず応用可能な手法となっており、白色矮星や大質量星など多くの応用が考えられる。さらに、本研究の過程で提案した非線形連立方程式の解法であるW4法は、これまで唯一と思われてきたニュートン・ラフソン法で解けないような問題に適用可能であると考えられるため、その波及効果は極めて大きいと考えられる。
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