研究課題/領域番号 |
20K03985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大石 理子 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10420233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ハドロン相互作用 / 宇宙線陽子 / 解像型大気チェレンコフ望遠鏡 / 超高エネルギー宇宙線 / 空気シャワー / 宇宙線 / 宇宙線化学組成 / 空気シャワー実験 / 超高エネルギーガンマ線 / チェレンコフ望遠鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
解像型大気チェレンコフ望遠鏡は主に宇宙ガンマ線検出器として知られているが、本来は空気シャワー現象を利用した総合的な宇宙線の間接検出器であり、検出事象の大半を占める宇宙線陽子を用いて、陽子-原子核(大気中)衝突時のハドロン相互作用の検証に貢献することができる。本研究課題では、チェレンコフ望遠鏡を用いた超高エネルギー帯のハドロン相互作用検証を目的として、1)ガンマ線解析とは異なる相互作用検証に特化した解析手法の開発と、2)現存する望遠鏡の観測実データとシミュレーションとの比較による相互作用モデルの検証 を目指す。
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研究成果の概要 |
次世代のworld-wide解像型大気チェレンコフ望遠鏡アレイ(IACT)であるCTA(Cherenkov Telescope Array)のOmega Configurationアレイ配置に対するガンマ線感度の見積もりに関して、Monte Carloシミュレーションで使用するハドロン相互作用モデルの差異が残存背景雑音量に影響を与え、その結果として感度曲線に約30%の無視できない大きさで伝搬することを定量的に評価した。さらに、このことにより、IACTがハドロン相互作用モデルの検証において優れた性能を持つことを示し、これらの成果を査読付き論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
解像型大気チェレンコフ望遠鏡(IACT)に限らず、空気シャワー実験の全てにおいて、検出器での観測量を一次物理量(粒子種・エネルギー等)に変換する際には空気シャワーシミュレーションの精度が大きな影響を与える。このため、広いエネルギー帯に対し一貫した描像の下で高精度のハドロン相互作用モデルを得ることは、空気シャワー分野全体において重要なタスクであり続けた。本研究の意義は、IACTを用い、専用の観測時間を要求せず高頻度で到来する宇宙線原子核成分を活用することで、比較的入力の宇宙線スペクトルの不定性が小さいTeV近傍エネルギー帯でのハドロン相互作用検証が可能であることを示したことにある。
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