研究課題/領域番号 |
20K04004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
田窪 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50423124)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SiGeピクセル検出器 / 新粒子 / 素粒子実験 / FASER / カロリメータ / モノリシック型ピクセル検出器 / シリコン・ゲルマニウム技術 / LHC / アクシオン / シリコンピクセル検出器 / 新粒子探索 / ピクセル検出器 / モノリシック / FASER実験 |
研究開始時の研究の概要 |
MeVからGeV程度の軽い質量を持ち、素粒子の標準模型粒子と非常に弱く相互作用するアクシオン的粒子(ALP: Axion Like Particle)は、新粒子の有力候補として近年、世界的に注目を集めている。現在CERNで建設中のFASER実験は2021年から開始されるが、未解決な最大の課題は、ALP探索のための高精度の2光子識別能力をもつ光検出器を開発することである。本研究では、BiCMOSモノリシック型ピクセル検出器を用いて、飛躍的に高い2光子識別能力をもつ光検出器を製作する。そして、2023年にFASER実験に導入することで、新粒子の候補であるALPの発見へとつなげる。
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研究実績の概要 |
FASER実験は、欧州原子核研究機構(CERN)に設置されている大型ハドロン加速器(LHC)を用いてMeVからGeV程度の質量を持つ新粒子を探索するための実験である。FASER実験のカロリメータは細分化されておらず、新粒子が複数の光子に崩壊した場合、それらを分離して捕らえることができない。本研究者は、2光子を分離するための前段シャワー検出器の開発を目指している。この検出器にはSiGe技術を用いたモノリシック型ピクセル検出器を使用する。ピクセル・センサーへ制御信号を転送し、センサーからの信号を読み出すために、センサーとワイヤーボンドで接続されるフレキシブル基板(モジュール基板)を使用する。そして、モジュール基板と読み出しエレクトロニクスは10cmから40cmのフレキシブル基板(信号転送用基板)で接続する。 2023年度は、前段シャワー検出器の実機に使用するためのモジュール基板と信号転送用基板に加え、電源を供給するための基板を開発した。2023年度前半は、以前作成したプロトタイプ・センサー用の基板を用いた最終試験に取り組み、修正すべき点を洗い出した。そして、2023年度後半はジュネーブ大学と協力して基板の設計を行い、実機に必要となる枚数分の基板を製造した。顕微鏡で目視検査を行い、設計通りに基板が完成しることを確認した。今後、この基板を用いて実機ピクセル検出器を作成し、性能評価に取り組む。そして、2025年春に前段シャワー検出器をFASER実験に導入する予定になっている。基板の開発の他に、理論家と共同研究を行い、新粒子の候補であるアクシオンがタウに結合した場合の感度の評価を行った。
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