研究課題/領域番号 |
20K04008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
徂徠 和夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80344464)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 銀河 / 星間ガス / 星生成 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河の進化の過程を明らかにするためには,銀河を形作る恒星のもととなる冷たい星間ガスの銀河内での分布を知る必要がある.しかし,これまでの観測から得られた星間ガスの質量は不確定な要素があり,ガスから恒星が生成される効率を正確に測定できていない.本研究は,これまでの観測では検出されていなかった暗黒ガスも含めて,従来の方法よりも高い精度で星間ガスの質量を求め, 恒星の生成率や生まれた恒星の質量等と比較し,相互の関係を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究は,銀河内部において恒星の材料となる星間ガスの質量を空間分解した上で正確に測定し,星生成率,ガス質量,星質量の間の関係を定量化することを目的とした。複数の銀河の観測データを用いて調べた結果,ミリ波の一酸化炭素分子のスペクトル線強度から水素分子の量を推定する変換係数が銀河内部の領域によって異なること,その結果,星の生まれやすさの指標となる星生成効率が,従来知られていたよりも分散が小さくなることが明らかになった。また,分子ガスのうち,分子雲を取り巻く希薄な成分は星生成には直接寄与せず,分子ガス全体に対する分子雲成分の割合が星生成効率を規定している可能性があることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の学術的意義は,銀河におけるガスの質量をより精度よく測定することで,これまで知られていた銀河の諸量の相関関係の分散を小さくすることができ,背景にある本質的な過程により迫ることができた点にある。その結果はガスから星が生成される過程は銀河の内部で大局的には大きく異ならないことを示す一方で,ガスが希薄な状態から分子雲と呼ばれるような重力的に束縛された状態になる過程が,相関関係の分散を作り出していることを示した。これらの結果は,銀河がガス雲から進化して現在の宇宙に見られる銀河に進化していく過程を明らかにする上で,重要な制限を与えていると考えられる。
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