研究課題/領域番号 |
20K04025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
酒井 剛 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20469604)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大質量星 / 星間分子 / 有機分子 / 赤外線暗黒星雲 / 星形成 / 分子雲 / 重水素 / 重水素化分子 / 電波天文 / ALMA |
研究開始時の研究の概要 |
アルマ望遠鏡による分子輝線観測によって、大質量星形成の極初期段階にあると考えられる原始星周囲の化学組成を統計的に調べ、それらを他の進化の進んだ大質量星形成領域や小質量星形成領域における存在量と比較する。小質量形成領域と大質量星形成とで原始星周囲の化学組成がことなることが知られているが、本観測によって、化学組成(特に窒素を含む複雑な有機分子の存在量)が大質量星形成のどの段階から、小質量星形成領域と異なっているのか明らかにする。
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研究成果の概要 |
大質量星形成領域で観測される複雑な有機分子の起源を調べるため、アルマ望遠鏡を用いて、様々な進化段階にある大質量星形成領域の観測を行なった。重水素化分子輝線の観測の結果、大質量星形成の初期状態には多様性があること、また、小質量星形成の初期状態に比べ、温度が高くなり得ることがわかった。また、大質量星形成領域において、窒素を含む複雑な有機分子の存在量にばらつきが見られたが、そのばらつきの起源は、星形成前の初期状態の違いではなく、星形成後の性質の違いである可能性が示唆された。大質量星形成領域における窒素を含む複雑な有機分子の起源には、ダストの加熱過程が関係していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子雲内部で原始星が誕生し惑星が形成される過程で、物質がどのように進化してきたのか理解することは、我々がどのように誕生してきたかという根源的な問いに直結する重要な研究テーマである。複雑な有機分子の起源を明らかにすることは、アミノ酸など生命関連分子の生成過程の理解にもつながる。本研究では、大質量星形成領域における窒素を含む複雑な有機分子の存在量には、ダストの加熱過程が影響している可能性を示した。今後、さらに研究を進めることで、生命関連分子の生成過程の理解も進むと期待される。
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