研究課題/領域番号 |
20K04033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
櫻井 隆 国立天文台, 太陽観測科学プロジェクト, 名誉教授 (40114491)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 太陽 / 太陽黒点 / 太陽フレア / 太陽の周期活動 / 恒星フレア / 太陽活動の地球影響 / 太陽の長期変動 / 太陽物理学 / 大気光 / 地球環境 / データベース |
研究開始時の研究の概要 |
太陽の長期変動が地球の気候変動に影響を与えるかどうか?これは重要だが簡単に解答が得られる問題ではないので、できるだけ多様なインプットデータを揃え、その組み合わせから太陽紫外線・X線の強度変動、ひいては地球気候への影響を見積もりたい。使用するデータはできるだけ日本のデータを掘り起こして利用する。インプットとして太陽黒点相対数、極域白斑数、プロミネンスの極方向移動速度をとる。アウトプットとして、太陽紫外線・X線の間接的指標であるカルシウムK線強度(約百年間のデータがある)、コロナ輝線強度、大気光強度をとり、それらの指標の多変量相関を探る。
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研究成果の概要 |
140年以上にわたる太陽黒点群面積のデータを統計的に解析した。面積の分布関数がべき乗分布であれば、どんなに大きな黒点群も長く待ちさえすれば現れることになるが、現在までのデータですでに、べき乗分布より急速に減少する振る舞いが見えている。言い換えれば、いくら待っても超巨大黒点は現れ得ないということになる。同様の解析を、40年にわたる太陽フレアのX線観測データ、太陽類似星の可視光のフレア観測データについても行なった。どちらのデータについても、分布関数は大エネルギー側ではべき乗分布より急激に減少している、即ち太陽フレアにも恒星の超巨大フレアにも規模の上限がある、という結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、太陽の活動とその地球環境への影響について注目が集まり、宇宙天気予報というキーワードで全世界で研究が進められている。フレア爆発は人工衛星の故障、高緯度地方の送電網への被害も起こすことが知られている。大きなフレアほど、あるいはフレアのエネルギーの源である黒点群の面積が大きいほど、地球への影響も大きいと予想される。恒星で起こる巨大黒点、巨大フレアとの類推から、太陽でも激甚宇宙天気災害があり得るとの説もある。しかし今回の研究では、これまでなされていなかった、長期間にわたる観測データの詳細かつ厳密な統計解析の結果、そのような可能性は極めて低いことを示すことができた。
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