研究課題/領域番号 |
20K04035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 九州共立大学 (2022-2023) 国立天文台 (2020-2021) |
研究代表者 |
島尻 芳人 九州共立大学, 経済学部, 教授 (90610551)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フィラメント形成 / 星形成 / 機械学習 / 電波天文学 / サブミリ波・ミリ波 |
研究開始時の研究の概要 |
低質量形成領域に対する観測から提唱されたフィラメント形成シナリオの普遍性の解明には、大質量星形成領域や系外銀河におけるフィラメントの形成およびそこでの星形成過程を直接観測から明らかにする必要がある。大質量星形成領域や系外銀河は、遠方にあるため、単一鏡のみでは、空間分解した観測は難しい。一方、高空間分解能を達成できる電波干渉計では、フィラメントの広がりを抑えた観測が難しい。そのため、大質量星形成領域や系外銀河におけるフィラメント形成過程の解明が難しかった。そこで、大質量星形成領域および系外銀河におけるフィラメント形成とその進化を明らかにすることを目的した観測研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
ハーシェル宇宙赤外線望遠鏡(2009-2013 年)による星形成領域の観測から、0.1pc幅の円柱状の細長い構造(フィラメント)が至るところで検出され、(a)乱流によ りフ ィラメントが形成、(b)フィラメントの重力により周辺ガスがフィラメントへ流れ込み、 フィラメント質量が増加し重力不安定が起こり、(c)フィラメント から星を生むもととな る密度が高いガスの塊(コア)へ分裂する、といったフィラメント形成シナリオが低質量形成領域に対する観測の結果から提唱されてい る。本研究は、低質量星形成領域に対する観測結果をもとに提唱されたフィラメント形成シナリオの普遍性の解明を大目標に、大質量星形成領域や系外銀河にお けるフィラメント形成過程を明らかにすることを目指している。
今年度は、NOEMA干渉計(仏)と野辺山45m鏡電波望遠鏡を用いてオリオン座B分子雲/NGC2024領域にあるフィラメントに対して行った観測の分子輝線データから、フィラメントが分裂して星形成コアが形成されていることを運動学的観点から明らかにした(Shimajiri et al. 2023a)。この研究の副産物として、フィラメントの構造は、トレーサーごとに異なることを観測的に明らかにした。フィラメントを構造を分析する上で、ダイナミックレンジが大きい連続波のデータの分析が重要であることを示した。その連続波の分布を分子輝線のデータから予測するための機械学習モデルの構築にも成功した(Shimajiri et al. 2023b)。さらに、この機械学習モデルの予測精度を大幅に改善することにも成功している。このように順調に計画が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで取得したデータを解析することで、大質量星形成領域におけるフィラメントの質量成長およびフィラメントからコアへの分裂を運動学的に調査し、低質 量星形成領域におけるフィラメントの質量成長と分裂過程の相違点を明らかにする。
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