研究課題/領域番号 |
20K04037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横山 竜宏 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (30397525)
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研究分担者 |
品川 裕之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所宇宙環境研究室, 研究員 (00262915)
陣 英克 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所宇宙環境研究室, 主任研究員 (60466240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 電離圏 / シミュレーション / プラズマバブル / GAIA |
研究開始時の研究の概要 |
赤道域上空の電離圏で生じる電子密度の擾乱現象は、衛星通信・測位・航法等に深刻な影響を及ぼすことが知られているが、その予測手段は未だ確立されていない。本研究は、これまで個別に開発が進められてきた電離圏の全球モデルと局所モデルを統合し、擾乱現象の発生機構の解明とその予測を実現する。日々変化する擾乱現象の発生機構を理解し、その発生を自己無撞着に予測することで、安定した衛星通信・測位の実現に資することが期待される。
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研究実績の概要 |
赤道域上空の電離圏で生じる電子密度の擾乱現象は、衛星通信・測位・航法等に深刻な影響を及ぼすことが知られているが、その予測手段は未だ確立されていない。本研究は、これまで個別に開発が進められてきた電離圏の全球モデルと局所モデルを統合し、擾乱現象の発生機構の解明とその予測を実現することを目的とする。 令和2年度には、計算領域を全経度域に拡張し、周期境界条件を仮定しないモデルの開発を行った。計算領域の増加により計算量・時間ともに大幅な増大が見込まれるため、計算の高速化も重要な開発課題であることが明らかとなった。令和3年度は、主に計算アルゴリズム、特にポアソン方程式を解いて分極電場を求める部分の連立方程式の解法アルゴリズムについて検討を行った。今年度は、全球大気圏電離圏結合モデルGAIAとの結合に向けて、GAIAモデルのダイナモ電場計算部分と電離圏電子密度計算部分の高解像度化に着手した。必要な空間解像度の見積もるために、局所モデルの空間解像度を粗くする方向に変化させて、最低限必要な空間解像度の検討を行った。その結果、東西方向に10km程度の分解能であれば、再現される擾乱現象の内部構造は単純化されるものの、大規模な構造については通常の解像度の場合と同様に成長し、その成長速度もほぼ同等であることが示された。GAIAモデルは実際の観測データを下層大気に取り込んでいるため、現実に近い中性大気風速と電子密度分布を再現可能であり、電子密度の擾乱現象の発生の日々変化をGAIAモデルを用いて直接解明できることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
代表者の所属機関が所有するスーパーコンピュータの更新スケジュールが大幅に遅れたため、具体的な計算実行プランに支障が生じた。令和5年度には稼働開始となる見込みである。分担者の所属機関が所有するスーパーコンピュータは、令和5年度中は利用可能であるため、令和5年度中の研究完了を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
GAIAモデル内部で局所的な電子密度の擾乱現象を再現するためには、空間解像度を大幅に向上させる必要がある。全領域にわたって高解像度化することは計算機資源上ほぼ不可能であるため、令和2年度に開発した技術を適用して不等間隔グリッドを導入し、GAIAモデル内部で電子密度擾乱現象を直接再現することを目指す。詳細な内部構造を調べるための高解像度モデルは既に開発済みであるため、擾乱構造を再現できる最低限の解像度を持たせるようにGAIAモデルを改良する。
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