研究課題/領域番号 |
20K04040
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河井 洋輔 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90726671)
|
研究分担者 |
青木 順 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90452424)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 2次イオン質量分析 / レーザーポストイオン化 / 局所同位体分析 / 太陽系年代学 / 2次イオン質量分析計 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽系初期、数千万年以内に収束した惑星形成過程は、天体間の衝突と破壊を繰り返して進行した。多くの隕石中に見られる破砕・角れき化した鉱物組織は、その時間情報を保持しており、太陽系の進化過程を解き明かすための「ロゼッタストーン」といえる。2次イオン質量分析計を用いた局所U-Pb年代分析は、これまで太陽系史の解明に多大な貢献をしてきたが、検出感度の制約によりμmスケールの極微小試料に対する分析が困難であった。本研究は、高出力レーザーによる「ポストイオン化」を用いた『超高感度質量分析システム』をベースとして高精度の局所年代分析を目指す基礎開発である。
|
研究実績の概要 |
従来よりも高精度の局所 U-Pb 年代分析を行うことを目的に、2次イオン質量分析計 (SIMS: Secondary Ion Mass Spectrometer) を高感度化するため、1次イオンビームによって叩き出された中性粒子を、高出力レーザーによってポストイオン化する2次中性粒子質量分析計 (SNMS: Secondary Neutrals Mass Spectrometer) の開発を進めてきた。現在までに開発された分析システムで、U-Pb年代分析で主として用いられる鉱物である、ジルコンおよびアパタイトの標準試料について、鉛同位体比の分析を行った。 結果、高出力レーザーによるポストイオン化によって、1μm以下の分析領域から数ppmオーダーの鉛を検出することに成功した。しかしながら、試料表面の分析痕と検出されたイオン量から、イオンビーム照射で消費された試料のうち、何%がイオンとして検出されたか (useful yield) を見積もったところ、0.5%以下となり、これは従来のSIMSと同程度の値であった。得られた鉛同位体の質量スペクトルからPb-Pb年代分析を行った結果、得られた年代値は標準試料の文献値と大きく外れた。同位体比の比較から、現在の地球の安定同位体比をもつ鉛の混入があることが分かったため、分析前の試料表面をイオンビームの走査によってスパッタし、試料の汚染を取り除く実験を行った。結果として、鉛の混入は試料のイオンビーム照射による帯電を防ぐために行った金コーティングに起因することが判明し、その影響を取り除く前処理の条件を精査した結果、分析誤差の範囲内で、標準試料の文献値と一致する鉛同位体比を得ることに成功した。
|