研究課題/領域番号 |
20K04041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三宅 洋平 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (50547396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 月惑星プラズマ / 表面帯電 / プラズマ波動 / 固体・プラズマ相互作用 / 衛星プラズマ相互作用 / 超高層物理学 / 数値シミュレーション / プラズマシミュレーション / 宇宙プラズマ / 境界領域プラズマ / 固体プラズマ相互作用 / 二次荷電粒子放出 / 小型天体 / 航跡構造 / 固体天体 / 小型天体プラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
人工衛星や固体天体などの表面と、宇宙プラズマの相互作用は、従来は表面のごく近傍の電荷非中性領域の物理にその力点が置かれてきた。しかし固体表面でのプラズマ損失や、それに伴う速度分布関数じょう乱の効果に着目すると、その影響は荷電分離領域(プラズマデバイ長)サイズの数1000 倍以上の遠距離にまで波及しうる。本課題では、固体表面に端を発するプラズマの乱れが、如何に、もしくはどの程度遠方まで波及するか、という学術的な問いに、長距離運動論プラズマシミュレーションを用いて取り組む。大規模計算機シミュレーションによって得られた知見に基づき、科学衛星観測データの再検討を実施し、将来の宇宙探査計画の指針とする。
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研究成果の概要 |
固体表面に端を発するプラズマの乱れが、如何に、もしくはどの程度遠方まで波及するか、という学術的な問いに、粒子モデルの運動論プラズマシミュレーションを用いて取り組んだ。過去に蓄積してきた物理的知見に基づき条件設定した大規模計算機実験の実施により①表面帯電の特異性によって生じる荷電粒子の異常反射・散乱、②プラズマ-固体境界層で生じる電子速度分布変化が原因となる電磁・静電波動励起、③中性粒子衝突に起因する固体表面からの荷電粒子放出過程、という新たな側面に光を当てた。これらの内①と②に関して、一般の静電シース物理で言及されるデバイ長スケールを大きく超える長距離波及効果を発現する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の特徴的な点は、太陽風・地球磁気圏プラズマ中の人工衛星ではサイズが小さすぎるため、また実験室プラズマ壁面では粒子間衝突による散逸効果のために、固体・宇宙プラズマ相互作用の長距離波及効果に期待することは難しく、物体サイズが電子ジャイロ半径より大きい(月や小惑星等の)固体天体や、逆に強磁場により電子ジャイロ半径が小さくなる電離圏中の人工衛星近傍で当該効果が生起することを明らかにした点である。本研究成果を出発点として、特定領域の固体・宇宙プラズマ相互作用をさらに進展させることで、将来の小型天体探査、および極域電離圏の科学衛星観測にとって有益な科学的知見が得られると期待される。
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