研究課題/領域番号 |
20K04043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
土屋 旬 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (00527608)
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研究分担者 |
土屋 卓久 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70403863)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 氷超イオン相 / 氷惑星 / 第一原理 / 自由エネルギー / 第一原理計算 / 氷超イオン状態 / 高圧 / 相図 |
研究開始時の研究の概要 |
水(H2O)は太陽系惑星の主要な構成物質のひとつである一方で、惑星内部のような高温高圧下における挙動は未だ解明されていない。超高温超高圧条件下において、H2Oは固体と液体の両者の特徴をもつ超イオン状態をとると考えられている。最近、H2Oの新しい超イオン相の存在が提唱されたが、その詳細は全く解明されていない。本研究では超イオン相に適用できる第一原理熱力学積分法を開発し、これを用いてH2O(液相・固相・超イオン相)の自由エネルギーを見積もることにより、高温高圧下における相図および氷惑星内部条件における構造および物性を決定し、天王星や海王星などの内部構造やダイナミクスに関する知見を得る。
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研究成果の概要 |
氷は超高温高圧下で水素が流動性をもつ超イオン相に変化する。本研究で行った第一原理分子動力学計算では氷超イオン相のBCC酸素副格子が100-500 GPa、2500 K以上で不自然な回転を示し、相転移を示唆する結果が得られた。さらに、第一原理分子動力学計算と熱力学積分法を組み合わせ開発した第一原理熱力学積分法を超イオン相へ適用するプログラム開発を行い、自由エネルギー計算を行った。さらに、水素原子核の量子効果を考慮した第一原理経路積分分子動力学計算も行い、原子核の量子効果が氷弾性定数に無視できない影響を及ぼすことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、液体と固体の両方の性質をもつ氷超イオン相の自由エネルギー計算を参照系から第一原理系(現実系)への直接の熱力学積分により効率的かつ精度よく行う(第一原理熱力学積分法)計算手法開発を行う。この手法は、氷の超イオン相が主要な構成物質の可能性がある氷惑星内部構造を調べる上で重要であるため、惑星科学分野において学術的創造性、重要性を持っている。このような自由エネルギー計算法の開発およびそれによる物性の決定は計算科学・物質科学としても非常に重要かつ挑戦的な課題である。
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