研究課題/領域番号 |
20K04044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小郷原 一智 京都産業大学, 理学部, 准教授 (50644853)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 火星 / ダストストーム / 物質輸送 / 火星大気 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで火星の砂嵐(ダストストーム)は漠然と単一の大気現象だと思われてきたが,その発生メカニズムはダストストームごとに全く異なることが近年の観測によって示唆された.それに伴い,水蒸気やダストの鉛直輸送量もダストストームによって大きく異なることが予想される.本研究は,形状や模様などの外見的特徴をもとに火星ダストストームを分類し,ダストストームの背景にある大気現象を特定する初の研究である.
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研究成果の概要 |
火星北半球に位置するArcadia平原西部に着目し,Mars Global Surveyorに搭載されたMars Orbiter Cameraによるおそよ3火星年分の観測画像から深層学習を用いてlocal dust stormを自動検出するとともに,発生緯度経度,発生季節,面積を記録した.その結果,至点と分点の間の中途半端は季節にダストストームが発生しやすいことが分かった.火星再解析データセットと比較することで,地表近くに存在する周期2 solsの大気波動の振幅が顕著になるタイミングでダストストームが多発していることを明らかにした.この大気波動はその周期と波数から傾圧不安定波と考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界で初めて深層学習を用いて火星ダストストームを自動検出し,緯度経度,季節,面積を自動記録することで,当該地域におけるダストストームの統計的特徴を明らかにした.目視検出した過去の研究と整合的な結果が得られ,他の地域への応用が期待できる.ダストストームの発生と相関がある波動を特定できたので,ダストストームのメカニズムの解明へとつながる.さらに,火星北半球中緯度のダストストームは,実は地球の中緯度でよくみられる一般的に知られた大気現象で説明できる可能性がある.大気現象の点で,地球と火星はよく似ていることの証左として,一般に発表できるかもしれない.
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