研究課題/領域番号 |
20K04045
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岩本 賢一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 講師 (00295734)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | イオン分子反応 / イオン移動度 / 核酸塩基 / イオンモビリティ / 異性体 / 生体関連分子 / ウラシル / 構造解析 / イオンモビリティ分析計 / イオン表面反応 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙での化学進化を理解する上で、生体関連分子の生成過程を明らかにすることは重要である。隕石から複雑な有機化合物が検出されており、地上で多様な条件の再現実験が行われた。本研究では、核酸塩基のウラシルに着目し、前生物学的化学反応による生成過程を明らかにする。星間空間で観測されているイオンを出発原料とし、星間塵表面に類似した低温尿素氷表面に打ちこみ、生成物の構造解析を行う。本研究を遂行するために、新規脱離機構を備えた極低温表面反応基板および構造解析用イオンモビリティ分析計と質量分析計を組み合わせた独自の装置を開発する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、宇宙での化学進化の過程で核酸塩基のウラシルの生成機構として、イオン分子反応とイオン表面衝突反応を組み合わせた新規実験手法を計画した。これを実現するために、次の3つの装置を開発した。新規イオンベンダー装置、イオンファンネル装置によるイオン分子反応室、励起希ガス原子を用いた表面脱離手法開発を行った。イオン移動度分析計の構造解析に関する実験を行い、低分子における環状構造と直線構造の分離分析が可能であることを検証した。イオンファンネル装置を用いたイオン分子反応について、生成物の異性体が存在した場合、新たな添加物を導入することで異性体分離が可能であるという実験結果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体関連分子である核酸塩基の生成過程を前生物学的化学反応によって明らかにすることができれば、地球外環境での生体関連分子の生成に関する知見が得られる。本研究では、ウラシルの前生物的な化学反応として、星間空間で観測されているイオンを用いたイオン分子反応と星間塵表面に類似した低温表面を混み合わせた新しい反応を行い、生成物の構造をイオンモビリティ分析計によって特定するという実験を計画した。低温表面反応の実験は未達成であるが、それ以外の要素技術の開発に成功した。イオン分子反応によって異性体が生成した場合、反応速度の違いを利用した添加物を導入することで異性体分離が可能であるという実験結果を得た。
|