研究課題/領域番号 |
20K04048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
道上 達広 近畿大学, 工学部, 教授 (60369931)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 小惑星リュウグウ / 衝突実験 / コンドライト隕石 / X線CT撮像実験 / 小惑星ベンヌ / X線CT撮像実験 |
研究開始時の研究の概要 |
小惑星リュウグウのような微小重力下でのレゴリス層形成はよく分かっていない。本研究は、炭素質小惑星と同じ炭素質隕石に対して衝突実験を行い、衝突前後の隕石の内部構造をX線CT撮像することで、衝突によって生じたクラックの空間分布、特にコンドリュール中のクラックの進展を調べる。これらの実験データを、2020年末に地球に持ち帰られる小惑星リュウグウ粒子の解析結果と比較することで、炭素質小惑星の表層形成メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
炭素質隕石に対して衝突実験を行い、生じたクラックの3次元分布をX線CT撮像(衝突前後に撮像)から明らかにした。その結果、CM隕石においては、クラックは、コンドリュールの境界に関係なく成長することが分かった(水質変成を受けた部分の強度が弱くなり、そこにクラックが存在している)。一方、衝突でない、熱疲労でクラックが生じる場合、熱膨張率の違いから、クラックはコンドリュールの境界に沿って成長することが知られている。将来、CM隕石と同じ物質であろう小惑星ベンヌから持ち帰られるサンプル粒子を調査し、今回の実験結果と比較することで、小惑星ベンヌの表層の形成過程を推定(衝突か熱疲労か)することができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の探査機による直接探査によって、小惑星表面はレゴリス層と呼ばれる数cm以下の破砕物で覆われていることが分かった。しかし、レゴリス層の生成メカニズムはよく分かっていない。レゴリス層の形成要因として、小惑星の昼夜の温度差がもたらす熱疲労による表面物質の細粒化、小惑星母天体からの衝突破片の再集積の2つがある。本研究によって、炭素質小惑星と同じ物質のCM隕石の場合、コンドリュール中のクラック成長が、熱疲労と衝突で異なることが分かった。今回の結果を小惑星ベンヌ粒子の調査結果と比較することで、小惑星レゴリス層の形成メカニズムの解明が期待される。
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