研究課題/領域番号 |
20K04057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 力 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60353918)
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研究分担者 |
下山 宏 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (50391115)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乱流輸送 / 植物群落 / PIV観測 / 格子ボルツマン法 / 大気安定度 / 植物キャノピー / 粒子拡散 / 安定成層 |
研究開始時の研究の概要 |
乱流の空間構造を直接かつ詳細に測定することのできる観測手法(PIV)による野外観測と、格子ボルツマン法を用いた乱流の数値解析により、植生キャノピー内における乱流の生成・消滅に関わる各種プロセスが大気安定度によってその役割をどのように変化させるかを明らかにする。それにより、安定成層時における植生キャノピー乱流の空間構造の実態と生成・消滅メカニズムを解明し、キャノピー層を含む接地境界層における輸送効率の大気安定度への依存性を詳細に明らかにする。
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研究成果の概要 |
森林キャノピー内におけるPIV観測を実現するためのシステムを構築し、複数夜間の異なる安定成層条件下において観測を行い、大気安定度によって変化するキャノピー内乱流の空間構造に関する基礎データを取得した。また、格子ボルツマン法に基づく植物群落内の乱流場を再現する数値シミュレーションモデルを構築した。それにより、群落内におけるスカラー量(熱・水蒸気・CO2等)の輸送を支配する、空間スケールの大きな乱流の時空間構造を明らかにするとともに、それに伴って群落下部に生じる圧力変動の形成要因を解析し、森林内で実際に観測された圧力と乱流構造の間の相互関係のメカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林群落内での流れの可視化観測を実現することで、従来の乱流観測手法では得ることができなかった、夜間(安定成層条件)の森林群落内の乱流の空間構造を直接観測した。また、これまで計測の困難さから観測例が非常に限られていた、森林内で生じる気圧の微小変動を観測し、森林群落内の乱流が時空間的に変動する過程における気圧変動の役割を明らかにした。さらに、従来とは異なる新たな計算手法により、森林群落内の乱流を忠実に再現するシミュレーションモデルを開発し、群落内での熱や物質の輸送を支配する乱流の時空間構造を明らかにした。
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