研究課題/領域番号 |
20K04068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
平島 寛行 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 主任研究員 (00425513)
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研究分担者 |
大澤 光 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (70839703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 積雪中の水分移動 / 斜面積雪 / 側方流 / マルチライシメーター / 水分移動モデル / ライシメータ / 側方流動 / 斜面浸透実験 / マルチライシメータ / 融雪 / 水の側方流動 / 野外トレーサー実験 / 3次元水分移動モデル / ALPINE3D |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、斜面積雪において散水実験を行い、その浸透過程を解析して側方流動過程の影響を明らかにする。また、マルチライシメータのデータをまとめて積雪層構造と水分浸透の不均一性の関係を解析する。3次元水分移動モデルを用いてこれらの再現計算を行うことにより、積雪中における水の側方流動過程に対する検証を行う。さらに、これらの結果に基づいて災害予測に応用可能な分布型の積雪変質モデル(ALPINE3D)に改良を加えて、側方流動が再現可能な積雪モデルを開発する。本研究で開発される積雪モデルにより、湿雪災害予測の精度向上が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、斜面積雪において着色水をトレーサーとした野外浸透実験、複数のライシメータ(マルチライシメータ)を用いた自動観測、積雪中の水分移動を計算する数値モデルを用いて積雪中で斜面に平行な方向に水が移動する側方流の発生メカニズムの解析や、モデルによる再現計算を行った。実験結果や再現計算により、側方流の発生するメカニズムや、数値モデルでどこまで再現できるかが明らかになった。一部の過程は再現が難しかったものの、今後の改良に向けた課題も明らかになった。研究期間中には、国内外における側方流に関する過去の研究もとりまとめ、雪氷に総説として掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積雪地域では、全層雪崩や融雪地すべり等の湿雪災害、水資源の予測等において積雪中の水分移動過程が重要である。豪雪地帯では斜面上に積もった積雪中の水は層構造の影響を受けて斜面に平行な方向へ移動することがあるため、地盤への水の浸透が集中し、湿雪災害につながることがある。このような側方流過程を解明するため、本研究では野外実験や自動観測、数値モデルを組み合わせて側方流の発生メカニズムの解析や再現計算を行った。本研究により、これまで考慮できなかった積雪から土壌へ水が浸透する際の局所的な集中などの積雪期特有の過程が明らかとなり、湿雪災害や水資源管理に対してより高精度な予測手法の創出が可能となる。
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